研究課題
基盤研究(C)
潰瘍性大腸炎では腸内細菌F. variumが産生する酪酸が腸上皮細胞に対してアポトーシスを誘導することが明らかになっている。我々は、酪酸刺激後のcDNAマイクロアレイ解析によって、CITED2(CBP/p300-interacting transactivator with glutamicacid/asparagine-rich carbocxy-terminal domain 2)が有意に発現誘導されることを見出した。CITED2はCBP/p300と結合することによりp53のアセチル化によってp53蛋白質を安定化し、その蛋白量の増多がp53依存性アポトーシスを誘導することが明らかになった。また、潰瘍性大腸炎の組織学的活動性とCITED2発現が相関することも明らかになった。このことによって腸内細菌が産生する酪酸の局所的高濃度がCITED2-p53系を介した腸上皮細胞アポトーシスを誘導し、上皮のびらんと炎症と増多を誘導する可能性が示された。同時に行った潰瘍性大腸炎炎症巣組織によるcDNAマイクロアレイ解析からは炎症組織においてolfactomedin 4(OLFM4)の有意な発現誘導が認められ、その発現も潰瘍性大腸炎活動性と相関することが明らかになった。CITED2とOLFM4の炎症誘導における相互関連及び発癌機序を引き続き検索していきたい。
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