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2009 年度 実績報告書

ヘッジホッグシグナル制御因子から見た膵臓癌前癌病変の分子病理

研究課題

研究課題/領域番号 21590408
研究機関愛知医科大学

研究代表者

笠井 謙次  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70242857)

キーワードヘッジホッグ / 膵臓癌 / 前癌病変 / SIX3 / SIL
研究概要

膵臓癌の発癌機構に、形態形成因子として知られる分泌型糖蛋白Sonic hedgehog(Shh)などヘッジホッグ蛋白が関わっていると考えられている。本研究ではヘッジホッグシグナルに関わる二つの制御因子SIX3(ヘッジホッグ発現自体を制御する転写抑制因子:Shhの上流因子)およびSIL(細胞内ヘッジホッグシグナル伝達に必須な細胞質蛋白:Shhの下流因子)に着目し、以下の成果を得た。
1、収集した膵臓癌症例の免疫組織染色により、SIX3は正常膵管上皮に陽性であるが、膵臓癌前癌病変PanINおよび癌には陰性であること、一方SILは正常膵管上皮に陰性~弱陽性であるが、low-grade PanINから染色性を増し、癌には強陽性となることを見いだした。
2、コンピューター解析によりヒトSIX3遺伝子は転写開始点を含む293塩基中にCpG Islandを有すること(G+C含有率57%,CpG実測頻度/予測頻度0.674)がわかった。ヒト膵臓癌細胞株におけるこの領域のシトシンは、SIX3非発現株ではメチル化され、5'-aza-dC処理により非メチル化されること、また解析した1種類のSIX3発現細胞株ではヘミメチル化の状態であることを見いだした。
3、SIX3を発現しShh発現のないヒト膵臓癌細胞株において、siRNA法によりSIX3遺伝子産物をノックダウンすると、Shh発現が見られた。さらにSIX3共役転写抑制因子TLE1が、正常膵管上皮に発現していることを見いだし、ヒト膵臓癌細胞株においてTLE1遺伝子産物のノックダウンするとShh発現が見られた。
4、ヒトShh遺伝子のプロモーター/エンハンサーを用いたルシフェラーゼレポーター解析により、SIX3はTLE1およびHDAC1と協調してヒトShh遺伝子の肺・消化管特異的エンハンサー依存性にレポーター活性を抑制することを見いだした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] GLI1 enhances the motility and invasion by gel forming mucin MUC5AC up-regulation in pancreatic cancer cells2009

    • 著者名/発表者名
      稲熊真悟
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフイコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2009-10-01
  • [学会発表] 膵臓癌および Pancreatic Intraepithelial Neoplasia(PanIN)におけるSIL発現状況の免疫組織学的解析2009

    • 著者名/発表者名
      米山亜紀子
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2009-05-03
  • [学会発表] 膵癌細胞においてGLI1はbHLH型転写抑制因子DEC2の発現を直接誘導しMLH1を介した遺伝子不安定性に寄与する2009

    • 著者名/発表者名
      稲熊真悟
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2009-05-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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