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2010 年度 実績報告書

GPIアンカー型膜蛋白CD109の個体発生における役割と生体内での生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590435
研究機関名古屋大学

研究代表者

村雲 芳樹  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40324438)

キーワードCD109 / ノックアウトマウス / 体毛発育異常 / 表皮過形成 / TGFssシグナル
研究概要

本年度は昨年度に引き続き、CD109ノックアウトマウスの表現型の解析を行った。まずin situ hybridizationによりCD109が皮膚・精巣にて高発現していることを確認した。CD109ノックアウトマウスは生後2週から8週にかけて野生型と比べて明らかにわかる体毛発育障害が認められるため、経時的に皮膚の組織切片を作成して皮膚、毛包、付属器の形態的変化について解析した。その結果、CD109ノックアウトマウスでは野生型マウスに比べて表皮が厚いこと、体毛の成長方向にバラツキがあること、毛包の拡張傾向があることが判明した。表皮の肥厚について、免疫染色を用いてどのレベルの細胞が増生しているのかを検討したところ、基底部の細胞層が肥厚していることが明らかとなり、CD109の欠損により表皮ケラチノサイトの分化に障害が起きている可能性が示唆された。この事は、CD109は高分化型扁平上皮癌に高頻度で発現しており、低分化型扁平上皮癌では発現頻度が低いという過去の報告に矛盾しない結果であった。毛包の拡張や体毛の発育障害は表皮の肥厚に伴う二次的なものと考えられた。CD109はTGFβシグナルを負に制御することが明らかになっているので、リン酸化Smad2抗体を用いた免疫染色にて表皮におけるSmad2のリン酸化の程度を検討したが、CD109ノックアウトマウスと野生型マウスの間で有意な差が確認出来なかった。本年度の研究結果から、CD109は扁平上皮の正常な分化に重要であることが示唆された。CD109ノックアウトマウスの精巣における表現型については、現在までの解析では野生型と比較して有意な差が認められていない。今後はCD109ノックアウトマウスからCD109欠損ケラチノサイトを樹立して、TGFβシグナルとの関連を検討していく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of human REV7 in complex with a human REV3 fragment and structural implication of the interaction between DNA polymerase {zeta} and REV1.2011

    • 著者名/発表者名
      Hara K
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 285 ページ: 12299-12307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss of Sprouty2 partially rescues renal hypoplasia and stomach hypogan glionosis but not intestinal aganglionosis in Ret Y1062F mutant mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto R
    • 雑誌名

      Dev Biol

      巻: 349 ページ: 160-168

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of DOK-6 function in downstream signaling of RET in human neuroblastoma cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Kurotsuchi A
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 101 ページ: 1147-1155

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of CD109 in the regulation of TGF-β signaling2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki Murakumo
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会、第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-10
  • [図書] これからはじめる人のためのバイオ実験基本ガイド2010

    • 著者名/発表者名
      武村正治
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      講談社

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公開日: 2012-07-19  

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