研究課題
基盤研究(C)
GPIアンカー型膜蛋白CD109のマウス個体における機能解析を目的として、CD109ノックアウトマウスを作成した。野生型マウスにおけるCD109の発現は、表皮基底層から有棘層にかけてと精細管内に認められた。CD109ホモノックアウトマウスは生存可能であり、1週齢から4週齢にかけて脱毛が認められた。生殖能は野生型と同様、雌雄共に保たれていた。組織学的には1週齢から表皮の肥厚が認められるようになり、10週齢まで持続していた。毛包の拡張も認められた。さらに、無毛である足底でも表皮肥厚が認められたことより、CD109ノックアウトにより皮膚の肥厚を来たし、二次的な変化として脱毛と脂腺の拡張が出現したと考えられた。皮膚の免疫染色による細胞内シグナル伝達系の解析により、CD109ノックアウトマウスにてSTAT3のリン酸化が亢進していることが明らかとなり、STAT3を介するシグナルが表皮肥厚に関係していると考えられた。また、CD109トランスジェニックマウスを用いて、血清中の分泌型CD109を検出し、その結合蛋白の同定を試みた。血清中の分泌型CD109はWesternblottingにより同定できたが、結合蛋白は同定できなかった。そのため、CD109過剰発現細胞株を用いて、上精中の分泌型CD109と結合する蛋白をマススペクトロメトリー解析により同定した。現在、結合の再確認とその意義を解析中である。
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