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2009 年度 実績報告書

Retチロシンキナーゼによって誘導されるアポトーシスの解析と病態における役割

研究課題

研究課題/領域番号 21590436
研究機関名古屋大学

研究代表者

浅井 直也  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80273233)

キーワード依存性受容体 / アポトーシス / チロシンキナーゼ / 遺伝子改変マウス / 神経発生 / 下垂体発生
研究概要

《RetD707N変異マウスの表現型の解析》
Retによるアポトーシス活性が喪失するD707N変異をノックンしたマウスの表現型を、更に詳細に解析する目的で、抗Ret抗体による免疫染色の条件を最適化し、今までに報告されていた以上に、高感度・高特異的にRet陽性細胞を検出することに成功した。今まで、変異マウスにおける神経細胞過形成が確認されたのは、Ret陽性細胞が神経細胞全体の100%を占める交感・副交感神経節だけであったが、Ret陽性細胞が全体の一部のみを占める三叉神経節、脊髄後根神経節においてもRet陽性神経細胞の数が増えていることが明らかとなった。したがって、Retによるアポトーシス活性の生理的機能は、交感・副交感神経系のみでなく、感覚・運動神経などを含む広いカテゴリーで神経発生に重要な意義があるものと考えられる。
《アポトーシス活性を示すRet蛋白断片の生理学的解析》
受容体型チロシンキナーゼであるRetは、細胞内の二箇所が切断されて蛋白断片が作られることがアポトーシス活性に重要なステップである。Ret蛋白断片の機能を解析する目的で、培養細胞を用いて断片の細胞内局在を調べたところ、核への局在が明らかとなった。断片のN末端ある核移行配列候補の領域にアミノ酸変異を導入したところ、核への局在性が失われた。したがって、蛋白断片のN末端は核移行シグナルとして機能していると考えられた。
Ret蛋白断片の核における機能を解析する目的で、ルシフェラーゼアッセイを用いて転写調節能を調べたところ、Ret蛋白断片には転写抑制機能があることが明らかとなった。転写抑制能に必要なドメインはN末端側の1/3の領域であること、転写抑制能にはチロシンキナーゼ活性は不必要であることも明らかとなった。現在、転写抑制の機能とアポトーシス誘導の機能に関連があるかについて解析を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] RET遺伝子の機能と多発性内分泌腫瘍症2型2009

    • 著者名/発表者名
      浅井直也、高橋雅英
    • 雑誌名

      ホルモンと臨床 57(3)

      ページ: 39-45

  • [学会発表] 依存性受容体としてのRETチロシンキナーゼの機能と腸管神経の発生2009

    • 著者名/発表者名
      高橋雅英、浅井直也
    • 学会等名
      第62回日本自律神経学会総会
    • 発表場所
      和歌山県、和歌山市
    • 年月日
      20091105-06
  • [学会発表] Retチロシンキナーゼにより形成される細胞内断片の転写制御因子としての作用2009

    • 著者名/発表者名
      浅井直也、高橋雅英
    • 学会等名
      第68回、日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      神奈川県、横浜
    • 年月日
      20091001-20091003

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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