研究概要 |
23年度は以下のような成果を上げることが出来た。 1.tetO-mutant EGF receptor ; CCSPrtTAマウスを用いての実験: a.Doxycyclineを2、4週投与後、肺胞では、上皮の増殖やマクロファージの集積を認め、腫瘍形成も見られた。増殖活性は、2週間でBrdUの取り込みが亢進するものの、4週間投与では標識率は50%低下した。また、2週間投与ではstat3,AKTなどのリン酸化の亢進が見られた。 b.realtime PCR法で、Notch受容体及び上皮分化マーカーの発現変化を検討した。Notch1,2,3は高度の減少を、Hes1は軽度低下した。分化マーカーではSPC以外のマーカー分子は低下した。 c.Doxycycline投与後、細気管支肺胞境界部のsca1陽性頻度は、対照と著変が見られなかった。 d.肺組織より一次スフェアを形成させ、単離した細胞をDoxycycline下で培養したが、一次スフェアの形成が一定量作成できず、対照マウス肺と比較が十分出来ず、有意差は見られなかった。 2.CCSPrtTA ; tetOCre ; flox-Hes1マウスを用いての実験 a.Doxycycline2、4週投与後、肺を採取し、組織学的検索を行ったが、Hes1の発現が低下するものの、HE染色上著変は見られ無かった。 3.BrdU-label retaining細胞について: BrdUを2週間標識した後に、2,6,18ヶ月後の肺におけるBrdU陽性細胞を検索したが、陽性細胞は細気管支肺胞境界部や神経内分泌細胞の集団周囲には見られ無かった。 4.nucleostemin, Notch1のヒト肺癌、口腔癌における発現と腫瘍スフェア形成能:癌幹細胞関連分子(nucleosteminとNotch1)のヒト癌における発現とsiRNAの影響について検討したが、いずれも増殖や浸潤性に関連することが解った。
|