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2009 年度 実績報告書

制御性T細胞の生物学的機能と特性:新たな分子経路の発見とその作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590451
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

平岡 伸介  独立行政法人国立がん研究センター, 研究所病理部, 室長 (40276217)

キーワード制御性T細胞 / リンパ球抑制活性 / 転写因子FOXP3
研究概要

CD4^+CD25^+制御性T細胞(Treg)は免疫反応を負に調整し、免疫系のホメオスターシスの維持に重要である。Treg活性の増減により腫瘍の増悪や自己免疫疾患の発生が促進されることがわかり、これら疾患病理の理解や効果的な治療法の開発にとって、Tregの生物学的機能の理解を深めることは大変意義深い。われわれは、ヒトTregの生物学の解明に取り組み、特に、他のリンパ球に対する抑制活性の分子機序を明らかにすることを目的として、その抑制活性の発現に必要なFoxP3以外の新たな転写因子の同定を試みた。そこでナイーブCD4^+T細胞にTGF-β存在下でT細胞レセプター(TCR)刺激を加えて、natural Tregと同様にリンパ球抑制活性を有する細胞を誘導し(induced Treg)、コントロール細胞に比して有意に発現亢進する遺伝子を、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析により選別した。それらの中から、多様なサブセットの免疫担当細胞の中でTregに特徴的に発現亢進を示す遺伝子を定量的RT-PCR法にて選別した。さらにレトロウィルスベクターを用いてナイーブCD4^+T細胞にこれらの遺伝子を導入し、その細胞にリンパ球抑制活性を誘導する遺伝子を検索した。最終的にこれら全ての条件を満たし、Zinc fingerドメインを持つ遺伝子を同定し、TF-HTR(transcription factor-human Treg)と名付けた。TF-HTR遺伝子の発現は、健常人15人のnatural Tregでも見られるが、特にinduced Tregで高発現する傾向にあり、他のCD4^+T細胞サブセットでの発現は殆ど認められなかった。ナイーブCD4^+T細胞に遺伝子導入した細胞のリンパ球増殖抑制活性を見ると、FOXP3遺伝子を導入した際よりもTF-HTR遺伝子導入時の方が強い抑制活性を認めた。現在、Treg形質・機能発現におけるTF-HTRの役割ならびに、Tregのリンパ球抑制活性発現に関わるTF-HTRの下流遺伝子について、さらに検討を続けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Intraductal carcinosarcoma with a heterologous mesenchymal component originating in intraductal papillary-mucinous carcinoma(IPMC)of the pancreas : both carcinoma and osteosarcoma cells arising from IPMC cells2010

    • 著者名/発表者名
      Okamura J, et al.
    • 雑誌名

      J Clin.Pathol. 63

      ページ: 266-269

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pancreatic ducts as an important route of tumor extension for acinar cell carcinoma of the pancreas

    • 著者名/発表者名
      Ban D, et al.
    • 雑誌名

      Am J Surg Pathol. (印刷中)

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncc.go.jp/jp/nccri/monrep/index.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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