ヒストン修飾蛋白のクロマチンリモデリングによるがんの発生及び進展機構の解明

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21590453
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 実験病理学
• 研究機関: 独立行政法人国立がん研究センター
• 研究代表者: 藤井 誠志 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (30314743)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 腫瘍 / ヒストン / クロマチン

研究概要

ヒストン修飾蛋白の一つであるEZH2のがん細胞における高発現はMEK-ERK-Elk-1経路の活性化によって誘起されることを見出した。このMEK-ERK-Elk-1-EZH2の経路は乳癌の高悪性度亜型である、ERBB2過剰発現亜型、トリプルネガティブ亜型の高い増殖能に関係していることが判明した。さらにヒトRAS変異体を導入すると膵癌が発生するトランスジェニックラットモデルにおいても、MEK-ERK経路の下流にあるEZH2による遺伝子発現改変が重要な役割を果たすことを見出した。

研究成果

• [雑誌論文] RAS oncogenic signal upregulates EZH2 in pancre atic cancer (2012)
  • 著者名/発表者名: Fujii S(他5名、1番目)
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 417 ページ: 1074-79
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2011.12.099
  • 査読あり
• [雑誌論文] MEK-ERK pathway regulates EZH2 overexpression in association with aggressive breast cancer subtypes (2011)
  • 著者名/発表者名: Fujii S(他6名、1番目)
  • 雑誌名: Oncogene 巻: 30 ページ: 4118-28
  • DOI: DOI:10.1038/onc.2011.118
  • 査読あり
• [雑誌論文] Aberrant expression of EZH2 is associated with a poor outcome and P53 alteration in squamous cell carcinoma of the esophagus (2011)
  • 著者名/発表者名: Yamada A、Fujii S(他5名、2番目)
  • 雑誌名: Int J Oncol 巻: 38 ページ: 345-53
  • DOI: DOI:10.3892/ijo.2010.868
  • 査読あり
• [学会発表] The significance of histone variants in cancer cells.がん細胞におけるヒストン変異体の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2011-10-03
• [学会発表] 高悪性度亜型の乳癌におけるヒストン修飾蛋白の高発現の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第19回日本乳癌学会学術総会
  • 発表場所: 仙台市
  • 年月日: 2011-09-02
• [学会発表] エストロゲンレセプター陽性乳癌におけるEZH2発現機構の解明 (2011)
  • 著者名/発表者名: 小林真希
  • 学会等名: 第100回日本病理学会総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2011-04-28
• [学会発表] ヒストン修飾蛋白によるがんの発生及び進展機構の解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第56回日本病理学会秋期特別総会学術研究賞演説(A演説)
  • 発表場所: 北九州市
  • 年月日: 2010-11-26
• [学会発表] MEK-ERK pathway regulates overexpression of EZH2, which is associated with aggressive breast cancer subtypes (2010)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第69回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 大阪市
  • 年月日: 2010-09-22
• [学会発表] Ras変異体導入による腫瘍発生におけるヒストン修飾蛋白の関与 (2010)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第99回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-04-27
• [学会発表] 活性酸素種によるヒストン修飾蛋白の発現誘導 (2010)
  • 著者名/発表者名: 小林真季
  • 学会等名: 第99回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-04-27
• [学会発表] RAS変異体導入による腫瘍発生におけるヒストン修飾蛋白の関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第20回日本消化器癌発生学会総会
  • 発表場所: 広島市
  • 年月日: 2009-11-26
• [学会発表] ERK pathway regulates the expression of histone modification protein in cancer cells (2009)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 学会等名: 第68回日本癌学会総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2009-10-01
• [図書] 腫瘍病理鑑別診断アトラス食道癌「扁平上皮癌の悪性度評価」 (2012)
  • 著者名/発表者名: 藤井誠志
  • 総ページ数: 103-108
  • 出版者: 文光堂