研究課題/領域番号 |
21590464
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 教授 (60111126)
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研究分担者 |
入子 英幸 鳥取大学, 医学部, 助教 (60346674)
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キーワード | 寄生虫 / マンソン裂頭条虫 / プレロセルコイド / 免疫抑制因子 / マクロファージ / 遺伝子発現抑制 / cDNA / クローニング |
研究概要 |
これまでに、マンソン裂頭条虫のプレロセルコイド(幼虫)の分泌物質中にLPS活性化マクロファージの一酸化窒素(NO)産生およびTNF-αやIL-1βの遺伝子発現を抑制する免疫抑制因子(ES90)を見出し、精製した。そして、この因子のN末端と内部のアミノ酸配列を基にしたdegenerate PCRによってcDNA断片を得ていた。このcDNAの塩基配列は、374bpで2種類の塩基配列のパターンが確認された。いずれのアミノ酸情報も今までに相同性の高いものは報告されておらず、新規の免疫抑制因子と推察された。本研究では、免疫抑制因子ES90の主要なisoformのcDNA断片を基にして、3'RACE法および5'RACE法を用いて全長のcDNAを合成し、その塩基配列を決定した。N末端側には26アミノ酸からなるシグナル配列があり、485アミノ酸をコードする1458塩基のcDNAをクローニングした。このcDNAを解析すると、フィブロネクチンドメイン(FNm)とホモロジーのある部位を挟んでシステインが同数のアミノ酸ごとに13個ずつ認められる構造をしていた。この全長のcDNAと2種類の部分的に欠失させたcDNAを無細胞のコムギ胚芽蛋白合成系で遺伝子組換え蛋白を合成するために、プラスミッド(pEU-E01-GST-TEV-MCS-N2)に組み込んだ。以上のように、寄生虫由来の免疫抑制因子(ES90)をクローニングし、無細胞コムギ胚芽系を用いた蛋白合成の準備が完了した。
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