研究概要 |
経口投与効果の検討: 抗クリプトスポリジウム治療薬開発のためクリプトスポリジウム症マウスモデルを用い治療実験を行った。SCIDマウスにクリプトスポリジウムのオーシストを5x10^5個経口投与し糞便中にオーシストが10^5/g以上排出されていることを確認しアスコフラノンの経口投与を開始した。投与量は50, 100mg/kg投与回数は一日1回とし、投与日数は6日間とした。100mg/kgアスコフラノン投与開始時2.73x10^5±1.97x10^5/gであったオーシスト排出量は1, 2, 3, 4, 5, 6日後には6.88x10^4±4.02x10^4/g, 4.67x10^4±2.31x10^4/g, 2.0x10^4±1.77x10^4/g, 2x10^4±1.28x10^4/g, 0.955x10^4±0.63x10^4/g, 0.311x10^4±0.252x10^4/gと減少を示したが投与を終わると再びオーシストの排出量は増加した。投与量が100mg/kgではオーシストの排出量の減少はみられたが完全に排出の消失は観察されなかったので投与量を増やして完全にオーシスト排出が無くなる投与量を検討する必要があることが判明した。 クリプトスポリジウムAOXの局在の検討: 免疫電子顕微鏡法を用いAOXの局在を調べたが電子顕微鏡標本中にオーシストの脱嚢残骸が多数含まれていて超薄切片が作れなかった。栄養型原虫を精製する技術を開発する必要があることが判明した。
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