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2011 年度 実績報告書

寄生虫感染におけるマスト細胞と好塩基球による免疫調節と防御発現

研究課題

研究課題/領域番号 21590470
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

渡辺 直熙  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00057019)

研究分担者 石渡 賢治  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00241307)
キーワードマスト細胞 / 好塩基球 / 感染防御 / マラリア / ダニ / VEGF / IgE / 寄生虫
研究概要

寄生虫感染防御におけるマスト細胞と好塩基球について解析した。マスト細胞は血管周囲に分布し、サイトカインと化学伝達物質を放出する。我々はマラリア原虫の防御にマスト細胞の関与をすでに報告した。本研究ではマラリア患者の血中VEGFの増加を見出した。VEGFはマスト細胞から分泌されることが知られている。そこでネズミマラリアにおけるマスト細胞由来VEGFの関与を検討した。マラリア原虫感染マウスの血中VEGF値は感染の経過に伴って増加する。このVEGF値の増加はマスト細胞欠損マウスではみられないが、培養マスト細胞の移入でみられるようになる。また正常マウスの防御能はVEGFの移入で濃度依存的に増強し、VEGFの阻害で減弱する。すなわち、マスト細胞由来VEGFによるマラリア原虫の感染防御が示唆される。我々が先に報告したマスト細胞由来TNFによる防御とここで示したVEGFの関係では、感染後の血中VEGF値がTNF欠損マウスでは対照マウスより低いことから、TNFがVEGFの上流にあることがわかる。次にVEGF受容体についてみると、マクロファージにおもに発現するVEGFR-1よりも血管内皮細胞に多く発現するVEGFR-2を介する防御が示された。
フタトゲチマダニのマウスでの二次感染防御にはマスト細胞と好塩基球さらにIgEが関与する。二次感染防御の発現では好塩基球上のIgE受容体は必要だがマスト細胞上のそれは必要としない。ダニの感染局所における好塩基球の集積について蛍光標識した好塩基球を用いた生体内映像による動態観察を行った。
感染局所の好塩基球はマスト細胞の存在下ではその場に集積してとどまるが、マスト細胞がないととどまることがない。この知見から好塩基球とマスト細胞は異なる機序で局所に集積し、協調して防御発現にあたっていることが判明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Association of mast cell-derived VEGF and proteases in Dengue shock syndrome2012

    • 著者名/発表者名
      Furuta T, Watanabe N., et al
    • 雑誌名

      PLoS Neglected Tropical Diseases

      巻: 6 ページ: e1505

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of mast cells and basophils in IgE responses and in allergic airway hyperresponsiveness2012

    • 著者名/発表者名
      Sawaguchi M, Ishiwata T, Watanabe N, 他
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 188 ページ: 1809-1818

    • 査読あり
  • [学会発表] ネズミマラリアにおけるマスト細胞由来TNFとVEGFによる防御発現2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺直煕、古田隆久
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術総会
    • 発表場所
      千葉県幕張
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] デングウイルス感染症とマスト細胞活性化2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺直煕、古田隆久他
    • 学会等名
      第61回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-11
  • [学会発表] 寄生虫感染とIgE2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺直煕
    • 学会等名
      第80回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-07-18
  • [学会発表] 好塩基球はNippostrongylus brasiliensisに対するTh2型獲得免疫に重要である2011

    • 著者名/発表者名
      小畑一茂、石渡賢治、渡辺直煕, 他
    • 学会等名
      第80回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-07-18
  • [学会発表] デングウイルス感染による病態の重症化におけるマスト細胞の関与2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺直煕、古田隆久, 他
    • 学会等名
      第22回日本生体防御学会学術総会
    • 発表場所
      沖縄県那覇市
    • 年月日
      2011-06-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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