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2011 年度 実績報告書

ポスト・Cエレガンスの線虫モデル~ネズミ糞線虫の大腸寄生~

研究課題

研究課題/領域番号 21590471
研究機関愛知医科大学

研究代表者

木村 英作  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)

研究分担者 高木 秀和  愛知医科大学, 医学部, 講師 (90288522)
角坂 照貴  愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
伊藤 誠  愛知医科大学, 医学部, 教授 (90137117)
キーワードネズミ糞線虫 / 大腸寄生 / 自食作用 / 遺伝子解析
研究概要

ネズミ糞線虫(S.ratti)成虫は、小腸寄生中に宿主(ラット)免疫に暴露され、そのほとんどが排虫されるが、一部の成虫は免疫抵抗性を獲得し、大腸に移動してそこに長期間留まる。大腸寄生の成虫は小腸寄生の成虫より多くの子孫(感染幼虫)を残すことから、大腸寄生は宿主免疫を逆手に取った生存戦略であると考えられる。大腸寄生成虫の腸管細胞は大きな"改造"を受け、電顕では自食作用を思わせる所見がある。我々は、大腸寄生成立のメカニズムを解明することを目指し、大腸ステージに特異的に発現/増強する遺伝子の研究を進めている。これまでにfork head transcription factor、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子、HSF-1、daf-7、daf-12など多数の遺伝子を得た。
近年、S.rattiのEST解析が行われているが、その多くが他の生物とのアノテーションがつかず機能を予測できない。我々は得られた遺伝子の機能を解明するためRNAi法の応用を考えて基礎実験を行った。
結果
1.自由生活世代幼虫、成虫に対しsoaking法を用い蛍光色素で標識したdsRNA及びsiRNAの取込みを調べたところ、いずれも腸管が強く染色された。腸管の蛍光色素は更に24時間のインキュベーション後にも観察された。
2.自由生活世代幼虫にlgg-1とactin-1に対するdsRNA及びsiRNAをそれぞれ取り込ませ、遺伝子発現に対する影響をRT-PCRによって確認した。dsRNAを用いた場合、lgg-1は約10%に、actin-1は約30%に減少していた。siRNAを用いた場合lgg-1は変化がなく、actin-1は逆にコントロールに比べ発現量が約2倍に増加していた。
これらの結果を基に、発見された未知遺伝子の機能をdsRNAを用いたRNAi法で解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Strongyloides ratti : transplantation of adults obtained from the small intestine at different days after infection into the colon of naive and infection-primed Wistar rats, and the effect of antioxidant treatment on large intestinal parasitism2011

    • 著者名/発表者名
      Shintoku Y, Takagi H, Kadosaka T, Kondo S, Itoh M, Honda S, Kimura E
    • 雑誌名

      Parasitology

      巻: 138 ページ: 1053-1060

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of loop-mediated isothermal amplification method for detecting Wuchereria bancrofti DNA in human blood and vector mosquitoes2011

    • 著者名/発表者名
      Takagi H, Itoh M, Kasai S, Yahathugoda TC, Weerasooriya WA, Kimura E
    • 雑誌名

      Parasitology International

      巻: 60 ページ: 493-497

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 無視され続ける寄生虫病:わが国の糞線虫症の現状2011

    • 著者名/発表者名
      木村英作
    • 雑誌名

      Clinical Parasitology

      巻: 22 ページ: 18-22

    • 査読あり
  • [学会発表] ネズミ糞線虫Strongyloides rattiに対するRNAiの試み2012

    • 著者名/発表者名
      高木秀和
    • 学会等名
      第81回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      兵庫医大(西宮市)
    • 年月日
      20120323-20120324
  • [学会発表] 宿主免疫刺激がStrongyloides rattiのストレス応答およびシグナル伝達遺伝子の発現を増加させる2011

    • 著者名/発表者名
      高木秀和
    • 学会等名
      第80回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      慈恵医大(東京都)
    • 年月日
      20110717-20110718

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公開日: 2013-06-26  

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