研究課題/領域番号 |
21590472
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
鎮西 康雄 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (60024709)
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研究分担者 |
油田 正夫 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90293779)
岩永 史朗 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20314510)
大槻 誠 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (60367878)
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キーワード | マラリア / スポロゾイト / 肝内型原虫 / 遺伝子発現 / ワクチン |
研究概要 |
マラリア原虫のステージ特異的遺伝子発現機構を解明することは、感染の分子基盤を理解するための重要な手掛かりとなる。ネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiにおいて、肝臓に侵入するステージであるスポロゾイトの転写因子AP2-Sp(AP2 in sporozoites)を同定した。AP2-Spはスポロゾイト期特異的に発現し、スポロゾイトの侵入、感染に必要な遺伝子群のほぼすべてを誘導するマスター転写因子であった。今回我々は、AP2-SpのDNA結合ドメインを有するキメラ転写因子を蚊侵入ステージであるオオキネートに発現させることで、多数のAP2-Sp標的遺伝子をオオキネート期に誘導することに成功した。 この方法により新たに同定されたAP2-Sp標的遺伝子の一つASA1(AP2-Sp activated gene 1)は細胞膜結合蛋白質をコードしている遺伝子であり、肝臓感染ステージである唾液腺スポロゾイトで特異的に発現される。ASA1遺伝子ノックアウト原虫は正常にマウスの血液、蚊の唾液腺に感染したが、肝臓への感染性が数千分の一に低下していた。HepG2細胞を用いたin vitro侵入アッセイでは、ASA1ノックアウト原虫の肝細胞侵入能が十分の一以下に低下していることが分かった。さらにHepG2細胞に侵入した少数の原虫もその後の細胞内でのEEF(exoerythrocytic form)へのdevelopmentに異常が認められた。一方、HepG2細胞通過(障害)活性は野生型の約三倍に増加していた。以上の結果は、ASA1が肝実質細胞の認識に必要であること、ASA1を介したコミットメントがその後の肝細胞内ステージへの移行に重要な役割を担っていることを示唆している。
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