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2011 年度 実績報告書

マラリア肝内型原虫のメロゾイトへの分化に必須な分子の探索と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21590472
研究機関鈴鹿医療科学大学

研究代表者

鎮西 康雄  鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (60024709)

キーワードマラリア / スポロゾイト / 肝内型原虫 / 遺伝子発現 / ワクチン
研究概要

ネズミマラリア原虫をモデルとして、肝臓に侵入するステージであるスポロゾイトで同定された転写因子AP2-Sp(AP2 in sporozoites)について解析を進めてきた。昨年の研究によってAP2-Spはスポロゾイト期特異的に発現し、スポロゾイトの侵入、感染に必要な遺伝子群のほぼすべてを誘導するマスター転写因子であることを明らかにした。今年度はこのことを更に確認する実験を行った。この転写因子をノックアウトした原虫は、肝細胞への感染に必要な遺伝子の発現が出来す、結果として感染が成立しないことも明らかになった。一方我々は、AP2-SpのDNA結合ドメインを有するキメラ転写因子を蚊侵入ステージであるオオキネートに発現させる研究を継続し、多数のAP2-Sp標的遺伝子をオオキネート期に誘導することに成功した。
新たに同定されたAP2-Sp標的遺伝子の一つASA1(AP2-Spactivated gene 1)は細胞膜結合蛋白質をコードしている遺伝子であり、肝臓感染ステージである唾液腺スポロゾイトで特異的に発現される。ASA1遺伝子ノックアウト原虫は正常にマウスの血液、蚊の唾液腺に感染したが、肝臓への感染性が数千分の一に低下することを明らかにした。HepG2細胞を用いたin vitro侵入アッセイでは、ASA1ノックアウト原虫の肝細胞侵入能が十分の一以下に低下していることが分かった。さらにHepG2細胞に侵入した少数の原虫もその後の細胞内でのEEF (exoerythrcytic form)へのdevelopmentに異常が認められた。一方、HepG2細胞通過(障害)活性は野生型の約三倍に増加していた。以上の結果は、ASA1が肝実質細胞の認識に必要であること、ASA1を介したコミットメントがその後の肝細胞内ステージへの移行に重要な役割を担っていることを示すことができたと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Centromere Plasmid : A New Genetic Tool for the Study of Plasmodium falciparum2012

    • 著者名/発表者名
      Iwanaga S, Kato T, Kaneko I, Yuda M
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: 33326-33334

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of IFN-□□by CD4+ T cells in response to malaria antigens is IL-2-dependent2012

    • 著者名/発表者名
      Kimura D., Miyakoda M., Honma K, Yuda M., Chinzei Y., Yui K.
    • 雑誌名

      Int.Immunol

      巻: 22 ページ: 941-952

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A high-coverage artificial chromosome library for the genome-wide screeing of drug-resistance genes in malaria parasites2012

    • 著者名/発表者名
      Iwanaga S, Kaneko I, Yuda M
    • 雑誌名

      Genome Res

      巻: 22 ページ: 985-992

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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