研究課題/領域番号 |
21590483
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
岡部 昭延 香川大学, 医学部, 教授 (20093677)
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研究分担者 |
宮田 茂 香川大学, 医学部, 講師 (90314913)
成谷 宏文 香川大学, 医学部, 助教 (30452668)
鈴木 基生 香川大学, 医学部, 助教 (80457340)
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キーワード | ウェルシュ菌 / クロストリパン / プロテアーゼ / リンカーペプチド / ガス壊疽 / eat-meシグナル |
研究概要 |
ウェルシュ菌のClostripain-like protease (Clp)は、ヒストリティカム菌のClostripain (CLO)とは、リンカーペプチドの長さと両端のアミノ酸残基が異なる。基質特異性を比較したところ、Clpはアルギニン以外に、弱いながらリジンも切断し、CLOはアルギニン特異性が高いことから、リンカーペプチドの相違がその基質特異性の差異の一つと考えられた。また、Clpは、重鎖や軽鎖を自己消化するので、リンカーはシャペロン機能を持つことが示唆された。Clpのリンカーの分離や変異導入は実施できなかった。極めて精巧に変異を導入するシステムを構築することに成功したので、それを用いてClpの変異導入が可能となった。また、その系を利用して構築した6個の遺伝子を欠損するウェルシュ菌宿主で、Clpの大量調整が可能になった。 Clpによる組織障害作用をマウスの実験的ガス壊疽で調べた。野生株とClp欠損株で、10^9PFUをマウスの大腿の筋肉内に接種し、8時間後に病理学的な観察を行った。両株ともガス産生を伴う腫脹、筋肉組織の広範な壊死とLeukostasisが観察され、発症時間、障害の程度で差を認めなかった。なお、Clpはマウスの皮下投与で、血管透過性を高める作用が認められた。これは、ギンギパインで報告されているプレカリクレイン活性化によるブラジキニン生成作用によると考えられる。ガス壊疽発症実験では、菌の少量接種時に食細胞の影響が、本症の発症や進展を左右するとの報告もあり、野生型とClp変異株の少量接種実験を行い、その機能を評価する必要性が明らかとなった。好中球との相互の作用で、毒素以外に菌の作用から、eat-meシグナル解析する方向を検討しているが、その解析適した各種の毒素の変異株を作成した。
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