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2010 年度 実績報告書

人獣共通病原菌レプトスピラのマクロファージを利用した感染戦略の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590484
研究機関琉球大学

研究代表者

TOMA ClaudIa  琉球大学, 医学研究科, 助教 (40325832)

研究分担者 鈴木 敏彦  琉球大学, 医学研究科, 教授 (10292848)
キーワード細菌 / 感染症 / マクロファージ
研究概要

病原性レプトスピラ(Leptospira interrogans)は、自然免疫機構を回避し、いろいろな臓器に移行するが、これらの機構は未だに解明されていない。本研究では、病原性レプトスピラの自然免疫回避機構を明らかにすることを目的とし、マクロファージへの感染機構に注目した。
病原性レプトスピラはマクロファージに貪食されるが、約20%の菌は酸性化しない小胞内で生存できることが明らかになった。また、マクロファージ感染24時間後のマクロファージ内のレプトスピラを透過型電子顕微鏡で観察した結果、レプトスピラは小胞内に存在し、菌体がスピロヘータの形状を保持していた。一方、感染4時間を経過すると細胞外に遊離するスピロヘータも観察された。この細胞外への遊離機構を明らかにするために、FITC-標識レプトスピラでマクロファージを感染し、ライブイメージングの解析を行った。その結果、感染4時間後から約5%のマクロファージは細胞死を起こすことがわかった。この細胞死の様式を調べた結果、アポトーシスであるこがわかった。また、ファゴソームの成熟過程を塩化アンモニウムで阻害することによって、レプトスピラによるアポトーシス誘導が増加した。このアポトーシス誘導には、細菌のパターン認識を行う細胞側レセプターのTLR4、およびアダプター分子であるTrifが必須であり、カスパーゼ-3とカスパーゼ-9の活性化が認められた。また、熱で処理した菌でも生菌と同様アポトーシス誘導が認められ、アポトーシス誘導には熱耐性である菌の分画が関与していることが示唆された。以上の結果から、病原性レプトスピラはマクロファージに貪食後、殺菌作用を回避し、マクロファージのアポトーシスを誘導することが分かった。二次的に起きるマクロファージのネクローシスにより、細胞にとどまっていたスピロヘータが細胞外へ遊離され、標的臓器に移行すると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Detergents enhance EspB secretion from Escherichia coli strains harboring the locus for the enterocyte effacement (LEE) gene.2011

    • 著者名/発表者名
      Nakasone N, Toma C, Higa N, et al.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiol.Lett.

      巻: 315 ページ: 109-114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cytotoxins of the human pathogen Aeromonas hydrophila trigger, via the Nod-like receptor family, pyrin containing 3 inflammasome, caspase-1 activation in2010

    • 著者名/発表者名
      McCoy AJ, Koizumi Y, Toma C, et al.
    • 雑誌名

      Eur.J.Immunol.

      巻: 40 ページ: 2797-2803

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pathogenic Vibrio activate NLRP3 inflammasome via cytotoxins and TLR/nucleotide-binding oligomerization domain-mediated NF-κB signaling2010

    • 著者名/発表者名
      Toma C, Higa N, Koizumi Y, et al.
    • 雑誌名

      J.Immunol.

      巻: 184 ページ: 5287-5297

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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