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2009 年度 実績報告書

A群レンサ球菌における糖輸送系蛋白質発現制御因子と病原性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590485
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

長谷川 忠男  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10314014)

研究分担者 南 正明  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70418739)
キーワードA群レンサ球菌 / PTSシステム / 転写終結因子 / 病原性 / LicT
研究概要

A群レンサ球菌は劇症型感染症を引き起こし、病態には菌の産生する毒素蛋白質が関与している。菌の生理的な代謝活動、特に糖の代謝が病原性に深く関与し、その制御系が毒素蛋白質発現にも影響を与えると考えられる。本研究では糖の膜輸送に関連するホスホトランスフェラーゼ(PTS)系とその発現制御系が如何に病原性と関連しているかを明らかにすることを目的とした。PTS系遺伝子の近傍に位置する転写終結因子LicT, Spy1325のノックアウト株の樹立に成功した。それらの株を最小発育培地(CDM)に種々の糖を加えて培養し、増殖の解析を行った。M1由来のlicTノックアウト株ではlicT遺伝子の近傍にβグリコシド特異的トランスポーター遺伝子が存在するためβグリコシドであるサリシンとアルブチンを用いた。親株においては糖添加によって増殖が促進されたがノックアウト株では増殖が認められず、LicTとβグリコシド利用の関連が示唆された。spy1325遺伝子の近傍にはセロビオース特異的トランスポーター遺伝子が存在するためセロビオースをはじめ、それと近縁の糖を用いた。ノックアウト株でセロビオース添加による増殖の促進が認められ、Spy1325はセロビオース利用を負に制御している可能性が示唆された。以上の結果はA群レンサ球菌における転写終結系と糖利用の関係を始めて明らかにした成果である。また種々の糖存在下でlicT, spy1325ノックアウトと親株の間で培養上清中の毒素蛋白質の発現変化は検討中であるが、これによって糖利用と病原性の関連の新たな因果関係が明らかになることが期待される。一方上記の増殖の違いが認められた糖の存在下でトランスポーターの発現が実際どのように変化しているかを検討する必要がある。また今後は今年度解析した転写終結系以外のPTSシステムに関与すると考えられる制御系の解析も行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Clindamycin-induced CovS-mediated regulation of the production of virulent exoproteins streptolysin O, NAD glycohydrolase, and streptokinase in Streptococcus pyogenes2010

    • 著者名/発表者名
      Minami M, Kamimura T, Isaka M, Tatsuno I, Ohta M, Hasegawa T.
    • 雑誌名

      Antimicrob Agents Chemother 54

      ページ: 98-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of a virulence-associated and cell-wall-located DNase of Streptococcus pyogenes2010

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa T, Minami M, Okamoto A, Tatsuno I, Isaka M, Ohta M
    • 雑誌名

      Microbiology 156

      ページ: 184-190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The streptococcal inhibitor of complement(SIC)protects Streptococcus pyogenes from bacteriocin-like inhibitory substance(BLIS)from Streptococcus salivarius2009

    • 著者名/発表者名
      Minami M, Ohmori D, Tatsuno I, Isaka M, Kawamura Y, Ohta M, Hasegawa T
    • 雑誌名

      FEMS Microbiol Lett 298

      ページ: 67-73

    • 査読あり
  • [学会発表] A群レンサ球菌における酸耐性に関与する二成分制御系因子の解析2009

    • 著者名/発表者名
      市川麻里子, 南正明, 立野一郎, 井坂雅徳, 松井秀之, 長谷川忠男
    • 学会等名
      第46回日本細菌学会中部支部総会
    • 発表場所
      名城大学薬学部(名古屋)
    • 年月日
      2009-10-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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