カンジダ・アルビカンスは、ヒトの口腔内および消化管に常在する真菌であるが、免疫の低下したヒトでは感染症の原因となる。本研究は、カンジダ感染症の発症メカニズムの一端を理解するため、感染防御の初期段階である、免疫細胞上あるいは細胞内にある受容体を介した微生物の認識経路を検討した。その結果、カンジダのDNAを認識するToll様受容体(TLR) 9からのシグナルと、近年多糖成分を認識する受容体として報告されたdectin-2の細胞内シグナルには相互作用があり、両受容体が共同してカンジダ感染時の宿主免疫応答を調節していることが示された。
|