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2010 年度 実績報告書

鉄欠乏性貧血由来ヘリコバクター・ピロリの新規病原因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590492
研究機関杏林大学

研究代表者

大崎 敬子  杏林大学, 医学部, 講師 (90255406)

キーワードHelicobacter pylori / 鉄欠乏性貧血 / 細胞空化毒素 / 鉄貯蔵タンパク / 鉄制限培地 / DNAマイクロアレイ法 / 小児 / 外膜蛋白
研究概要

鉄欠乏性貧血患者(IDA)においてHelicobacter pylori感染との関与が指摘されている。小児における鉄欠乏性貧血患者由来H.pyloriと貧血症状のみられない患者由来の菌株の性状比較を行った。H.pyloriの増殖に必要な鉄源として、ヘミン、トランスフェリン、ラクトフェリンなど、生体由来鉄を加えた培養の結果から、H.pyloriはこれらの鉄を利用可能であることが示され、菌株によってその依存度が異なる現象が認められ、鉄の保存状態との相関について検討する必要性が示唆された。
さらに、宿主の鉄取り込み能に対するH.pyloriの影響を見る系の確立を目的として、培養細胞でありながら小腸同様の鉄の取り込み能を有するCaco-2細胞とH.pyloriの相互作用について検討した。Caeo-2細胞にH.pylori生菌を添加した場合、18時間後には接種菌の0.8-から3.5倍の生菌数であった。しかし、細胞のない同条件の培養では、生菌数は10分の1から100分の1に低下した。H.pyloriの生存に必要な栄養を細胞から供給している可能性が考えられた。
また、IDA患者由来株は、対照菌株と比較して、細胞空胞化毒素産生株が多く、何らかの機序で本毒素がIDAとの関わりがある可能性が示唆されたため、Caco-2細胞にH.pyloriの培養上清を添加したところ、VacA産生による差は認めずに、すべての菌株上清に細胞数をコントロールと比べて低下させる作用があった。さらに、鉄の取り込み能について解析した結果では、細胞数と相関しない結果となり、菌株の由来(IDAまたは非IDA)により、細胞数低下の程度に差を認めなかった。今後それらの機序を解明する必要が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] In vitro and in vivo effects of the Mongolian drug Amu-ru 7 on Helicobacter pylori growth and viability2010

    • 著者名/発表者名
      Bai C.L., Osaki T., 他6名
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology

      巻: 54 ページ: 508-505

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Assessment of in vitro biofilm formation by Helicobacter pylori2010

    • 著者名/発表者名
      Yonezawa H., Osaki T., 他4名
    • 雑誌名

      J Gastroenterol Hepatol.

      巻: 25 S 1 ページ: S90-94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of the microflora in the stomach of Mongolian gerbils infected with Helicobacter pylori.2010

    • 著者名/発表者名
      Zaman C., Osaki T., 他4名
    • 雑誌名

      J Gastroenterol Hepatol.

      巻: 25 S 1 ページ: S11-14

  • [学会発表] 本邦のHelicobacter pylori感染における環境由来感染の可能性について2011

    • 著者名/発表者名
      大崎敬子, 他4名
    • 学会等名
      第15回日本小児ヘリコバクター研究会
    • 発表場所
      滋賀
    • 年月日
      2011-03-05
  • [学会発表] 鉄欠乏性貧血患者より分離されたHelicobacter pyloriの鉄利用能と関連遺伝子群の解析2010

    • 著者名/発表者名
      大崎敬子, 加藤晴一, 他3名
    • 学会等名
      第16回日本ヘリコバクター学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20100624-25
  • [学会発表] 鉄欠乏性貧血患者より分離されたHelicobacter pyloriの性状解析2010

    • 著者名/発表者名
      大崎敬子, 加藤晴一, 他2名
    • 学会等名
      第84回日本感染症学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20100405-06

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公開日: 2012-07-19  

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