研究課題/領域番号 |
21590496
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
八木 淳二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70182300)
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研究分担者 |
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (20132920)
有村 裕 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10281677)
大森 深雪 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30462667)
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00241084)
春田 郁子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80221513)
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キーワード | LECT2 / LECT2受容体 / 敗血症 / 診断 |
研究概要 |
[研究I]1. LECT2の結合性をflow cytometryにて検討したところ、マウスでは、腹腔マクロファージに強い結合を認めた。B細胞および樹状細胞は、休止期細胞では弱い結合であり、LPS刺激後結合性が上昇した。T細胞は、休止期および活性化細胞とも結合を認めなかった。ヒトでは、末梢血中の単球の一部(約20%)に結合を認めた。2. 1)LPSおよびIFN-γ刺激によるマウス腹腔マクロファージの各種サイトカイン産生に対して、LECT2は影響を与えなかった。2)TNF-αが肝細胞株のLECT2産生を誘導することを見出した。[研究II]LECT2結合細胞からcDNAライブラリーを作製中である。[研究III]健常者31名の血漿中LECT2濃度は、19.7±3.4ng/mlであった。性別や年齢による有意差は認めなかった。東京女子医科大学病院ICUに敗血症の診断で入室した19名(平均年齢:59.3歳、男:女=14:5、3名は入室中死亡)の血漿中LECT2濃度は、ICU入室時は、5.3±3.4ng/mlであり、健常者の値と比較し有意に著明な減少を認めた。ICU退室時は、13.2±4.9ng/mlと入室時よりも有意に上昇した。LECT2および入退室時で有意差のあった炎症パラメーターを、matched pair testを用い、個人の変動を検討したところ、LECT2は16名全員がICU退室時の値が入室時より高く、ICU入室時の値が高く、退室時低下する幼若白血球、CRP、IL-6と同様に有意に著明な変動を認めた。以上より、LECT2の受容体は、主としてinnate immunityに関与する細胞に表現されることが示唆された。さらに、ほとんど不明であったヒトの炎症疾患との関連が強く示唆され、血漿中LECT2濃度は、診断的パラメーターとして有用と考えられた。
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