研究課題/領域番号 |
21590502
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
棚元 憲一 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (60107430)
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研究分担者 |
室井 正志 武蔵野大学, 薬学研究所, 准教授 (70311389)
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キーワード | エンドトキシン / lipopolysaccharide / 敗血症 / 自然免疫 / Toll-like receptor / リピドA |
研究概要 |
本研究は、最終的にはエンドトキシン疾患の治療法への発展を見据えて、エンドトキシン活性の発現に主要な役割を果たしているマクロファージにおいて、エンドトキシンの活性の強弱が如何に調節されているかという機構を解明しようとするものである。 本年度はまずLPS結合性蛋白LBP、CD14、MD-2とlipid Aとの結合性(結合量、アフィニティ)を検討するためリコンビナントのLBP、CD14、MD-2蛋白の作成を手がけた。MD-2は分子上のグリコシル化が機能に必要であると考えられているので、ヒトに近いグリコシル化が起きると言われている酵母を利用し、ヒトおよびマウス由来のLBP、CD14の作成を終えた。また、lipid Aの活性に影響を与える細胞膜上でのTLR4の発現量の変化を本年度に検討する予定であったが、発現量の変化により影響を受けない活性検出法確立を目指し、TLR4が2量体を形成するとルシフェレース活性が発現するようなTLR4-ルシフェレースキメラプラスミドを作成した。TLR4の2量体化はlipid A作用後数分以内に起きることから、この検出法によりTLR4の発現量の変化に影響されず、かつ、受容体直下での活性検出が可能になる。この検出系においてlipid A結合量を検討することで、本年度に予定していたCD14-TLR4-MD-2の複合体の生成量と複合体へのlipid Aの結合量の相関を検討する予定である。これらの検討により種々のlipid Aの活性とLBP、CD14、MD-2の各蛋白およびCD14-TLR4-MD-2複合体への結合との相関について体系的な比較が可能となる。 エンドトキシン活性発現の調節機構を明らかにすることは、単に学術的な意味にとどまらず、臨床応用への発展、敗血症に代表されるエンドトキシン疾患の対策につながるものである。
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