研究課題/領域番号 |
21590502
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
棚元 憲一 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (60107430)
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研究分担者 |
室井 正志 武蔵野大学, 薬学研究所, 准教授 (70311389)
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キーワード | エンドトキシン / lipopolysaccharide / 敗血症 / 自然免疫 / Toll-like receptor / リピドA |
研究概要 |
本研究は、最終的にはエンドトキシン疾患の治療法への発展を見据えて、エンドトキシン活性の発現に主要な役割を果たしているマクロファージにおいて、エンドトキシンの活性の強弱が如何に調節されているかという機構を解明しようとするものである。 精製したヒトおよびマウス由来のLBPを用いて、各種lipid A(エンドトキシンの活性中心化合物)の結合性をELISAの系で解析したところ、結合性はヒトおよびマウスどちらのLBPでも406>506>516の順になった。これは、マウス細胞における活性(506≧406>516)とはほぼ平行したが、ヒト細胞における活性(506》516≒406)とは平行せず、エンドトキシン活性発現にはLBPとの結合以降のCD14またはMD-2との結合性が重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、エンドトキシン活性を受容体直下で測定するため、TLR4の細胞内領域を除いた遺伝子(TLR4dC)とMD-2さらにluciferaseのN末領域(Nluc)もしくはluciferaseのC末領域(Cluc)の2種の遺伝子のキメラ遺伝子(MD-2/TLR4dC/NlucおよびMD-2/TLR4dC/Cluc)を安定的に発現する細胞を確立したが、これらをLBP、sCD14存在下、エンドトキシンで刺激しても残念ながらluciferase活性の増大は観察できなかった。 エンドトキシン活性発現の調節機構を明らかにすることは、単に学術的な意味にとどまらず、臨床応用への発展、敗血症に代表されるエンドトキシン疾患の対策につながることから、各種lipid AとCD14またはMD-2との結合性、および、受容体直下での活性測定法の確立が今後の課題である
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