研究課題
C型インフルエンザウイルスの第二の膜蛋白質であるCM2蛋白がウイルスの増殖過程においてどのような役割を演じているのかを明らかにすることが本研究の目的である。これまでに、CM2を欠損させたウイルス様粒子virus-like particle(ΔCM2-VLP)を用いた研究を行った。その結果、CM2はウイルスゲノムのpackagingと粒子のuncoatingの両者に関与することが明らかとなった。このことを感染性ウイルス粒子を用いた実験で証明すべく、M遺伝子にCM2がコードできないような変異を導入し、リバース・ジェネティクスでウイルスの作製を試みた。しかしながら、感染性ウイルスは回収できなかった。この事実はCM2がウイルスの増殖に必須の蛋白であることを示す。次に、CM2の翻訳後修飾部位に着目した。CM2の4種類の翻訳後修飾(糖鎖の付加、パルミチン酸の付加、リン酸化、4量体形成)に関与するアミノ酸残基は進化学的に保存されているので、これらの修飾はウイルスにとって重要であることが窺われる。そこでまずパルミチン酸化部位を欠失したウイルス(rC65A)を作製し、その増殖を調べた。その結果、rC65Aの増殖能は野生型ウイルスと有意な差はなかった。このことは、パルミチン酸化はウイルスにとって必須ではないこと、および、組換えウイルスrC65Aを用いてCM2の機能を明らかにすることはできないことが明らかになった。
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