研究課題
クリミア-コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)の出芽機構を解明するために同じナイロウイルス属で遺伝学的、血清学的に近縁なハザラウイルスをモデル系として、これまでに他のウイルスで報告されている出芽関連宿主因子がハザラウイルスの粒子形成・出芽にも関与するかどうかをsiRNAあるいはDominant-Negative変異体を用いて解析した。その結果、ハザラウイルスは他の多くのエンベロープウイルスとは異なる機構、すなわちWVB形成系を利用せずに細胞から出芽することが示唆された。更に、ウイルス粒子形成・出芽に主要な役割を果たすウイルスタンパク質およびその責任領域を決定する為にウイルスの主要構造タンパク質であるNとGPの発現プラスミドを作製した。現在、ウイルス粒子形成・出芽におけるこれらのタンパク質の役割およびウイルス出芽に必須なウイルスエレメントの同定を進めている。また、我々が以前ラッサウイルスやマールプルグウイルスの細胞からの産生を阻害する細胞性因子として報告したTetherinについて、ハザラウイルスに対するウイルス産生阻害効果を解析した。その結果、Tetherinは40%程度という弱い活性ではあるが、ハザラウイルスの産生を抑制する効果があることが解った。Tetherin変異体を用いた解析から、このウイルス抑制作用にTetherinのN末の細胞質内ドメインやC末のGPIアンカーが必須であることも明らかにした。
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