研究課題
HCV(JFH-1株)のcoreからp7領域のcDNA、およびNS2領域のcDNAをpCAGGSに組み込んだpCAGC-p7およびpCAGNS2を作製した。またJFH-1株のレプリコン(構造蛋白質領域を欠損し、EMCV-IRESおよびFluc遺伝子を挿入したもの)cDNAをpolI promoter/terminater間に挿入し、pHH JFH1 SGR-Flucを作製した。これらの3つのプラスミドをHuh7.5.1細胞ヘトランスフェクションし、その培養上清をさらにnaiveなHuh7.5.1細胞に感染させ、3日後の細胞のルシフェラーゼ活性を測定する事により、上清中の感染価をLuciferase活性で定量的に評価出来る系を構築した。この系により、NS2をトランスに発現させて、HCVの感染性粒子形成を評価できるようになった。次に、NS2蛋白質のプロテアーゼ活性中心残基の変異体、およびN末あるいはC末欠損変異体発現プラスミドを作製した。それらを上記の系を用いて感染性粒子の産生へ及ぼす影響を評価した。その結果、NS2のプロテアーゼ活性中心や、リン酸化部位と推定されるセリン残基をアラニンに置換した変異体は粒子形成能に影響しなかったが、NS2のN末端側の膜貫通領域やC末端のアミノ酸を欠損させると、感染性粒子の産生は認められなかった。さらに膜蛋白質同士の蛋白質相互作用を解析する事が可能な分割ユビキチン法を利用した酵母Two-Hybridスクリーニング系を用いて、3回膜貫通蛋白質であると考えられているHCV NS2蛋白質と相互作用を示す宿主因子を、ヒト肝臓ライブラリーより探索し、複数同定した。
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Hepatology (In press)