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2011 年度 実績報告書

UNC93b1によるTLR7,TLR9反応性のバランス制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590528
研究機関東京大学

研究代表者

齋藤 伸一郎  東京大学, 医科学研究所, 助教 (90361625)

キーワードTLR7 / TLR9 / 自然免疫 / 核酸認識 / 自己免疫疾患
研究概要

細菌やウイルスの核酸成分RNAとDNAを認識し反応するTLR7とTLR9は、私達の生体内に存在するRNA成分とDNA成分を認識して反応する危険な存在でもある。そのTLR7とTLR9をどのように制御しているのかを追及することが、この基盤研究の目的である。TLR7とTLR9の反応性になくてはならないのがUNC93b1と呼ばれる分子である。この分子は粗面小胞体に存在し、TLR7とTLR9に会合する。UNC93b1によってTLR7とTLR9は粗面小胞体から反応の場であるエンドソーム・ライソソームへ移行することができる。我々はUNC93b1のN末端側のPDZドメインが、TLR7とTLR9の反応性のバランスを取っていることを発見した。実際にVIVOにおいての重要性を明らかにするためにPDZドメインの1アミノ酸を置換するノックインマウスを作製し解析したところ。予想していた通りに樹状細胞、マクロファージ、B細胞においてTLR7の反応性は著しく増強し、TLR9の反応性は著しく減少した。ノックインマウスはメンデルの法則通りに生まれるが、1年以内に75%のマウスが死亡した。マウスの脾臓は著しく肥大しており、その中で顕著に増えた細胞はCD11b+のMyeloid細胞とTer119+CD71+erythroblastであった。そしてさらに、肝臓に塞栓が起こることで、肝障害でマウスは死に至ることが明らかとなった。このノックインマウスはTLR7のノックアウトマウスと交配することで病態が消失することから、TLR7の反応性の増強がその病態と関わっていることが示唆された。さらにB細胞の欠損マウスと交配することでも病態が消失することから、B細胞が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。B細胞が消失したノックインマウスでは、TLR7の発現が認められないT細胞の活性化も著しく減少して正常な状態に戻っていることから、B細胞の活性化の下流にT細胞の異常な活性化があることが予想された。我々はさらにUNC93b1に会合してTLR7とTLR9の反応性を制御するsmall G proteinを同定した。そしてそのノックアウトマウスの解析から我々の同定したsmall G proteinは、SLE(全身性エリトマトーデス)のモデルマウスの病態発症に関係するType1インターフェロン産生に関与している可能性が出てきている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Unc93B1 restricts systemic lethal inflammation by orchestrating Toll-like Receptor 7 and 9-trafficking2011

    • 著者名/発表者名
      福井竜太郎、齋藤伸一郎, 他
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 35 ページ: 68-81

    • 査読あり
  • [学会発表] Unc93 homolog B1 restricts lethal homeostatic inflammation by regulating TLR7 and TLR9 reciprocally2012

    • 著者名/発表者名
      福井竜太郎
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2012-11-28
  • [図書] Innate Immune Regulation and Cancer Immunotherapy2011

    • 著者名/発表者名
      齋藤伸一郎
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      Springer
  • [備考]

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/kanseniden/index.htlm

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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