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2009 年度 実績報告書

腸内細菌由来抗原の免疫制御機能を利用したクローン病の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21590532
研究機関京都大学

研究代表者

渡邉 智裕  京都大学, 医学研究科, 助教 (40444468)

キーワード粘膜免疫 / クローン病 / NOD2
研究概要

抗原提示細胞におけるMuramyl dipeptide(MDP)によるNOD2の活性化はTol1-like receptor(TLR)を介するNF-kappaBの活性化を抑制し、腸炎の発症を防止していることを代表者は見出しているが、NOD2の活性化がTLRを介するI型IFNの産生に及ぼす効果は不明であった。代表者らはMDPによるNOD2の活性化がTLR9を介するI型IFNの産生を負に制御することを発見した。その機序の詳細は不明であるが、NOD2はTLR経路をNF-kappaBとI型IFNの活性化という2つの側面から負に制御することにより、腸管免疫の恒常性を維持していることが明らかとなった。また、MDPの全身投与によるNOD2の活性化はTLR9 ligandの投与による腸炎の悪化を防止した。その効果はNOD2の活性化がTLR9を介するI型IFNの産生とTH 1ケモカインの産生を抑制するためであった。NOD2の姉妹分子であるNOD 1の消化管上皮細胞における活性化はI型IFNの経路を活性化し、TH1ケモカインの産生を誘導することにより、炎症反応を惹起し、Helicobacter pyloriの慢性胃粘膜感染に対し、防御的に働いていることも明らかにした。以上の結果からNOD1とNOD2は腸内細菌由来抗原により活性化された際にI型IFN経路の誘導という観点からは全く正反対の効果を示し、NOD2の活性化はI型IFN経路の活性化を抑制する一方でNOD1の活性化はI型IFNの産生を誘導することが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] NOD1 contributes to mouse host defense against Helicobacter pylori viaindution of type I IFN and activation of the ISGF3 signaling pathway2010

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Tomohiro, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation (in press)

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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