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2010 年度 実績報告書

腸内細菌由来抗原の免疫制御機能を利用したクローン病の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21590532
研究機関京都大学

研究代表者

渡邉 智裕  京都大学, 医学研究科, 准教授 (40444468)

キーワード粘膜免疫 / クローン病 / NOD2
研究概要

抗原提示細胞におけるMuramyl dipeptide(MDP)によるNOD2の活性化はToll-like receptor(TLR)を介するNF-kappaBの活性化を抑制し、腸炎の発症を防止していることを代表者は見出している。しかしながら、NOD2の活性化がTLRを介するI型IFNの産生に及ぼす効果は不明であった。最近、代表者らはMDPによるNOD2の活性化がTLR9を介するI型IFNの産生を負に制御することを見出しているが、その機序の詳細は不明であった。平成22年度に行った研究により、我々はMDPによるNOD2の活性化は形質細胞様樹状細胞(pDC)におけるTLR9を介するIFN-alphaの産生をIRF7の核内移行を制御することにより抑制することを確認した。さらに、MDPの全身投与によるNOD2の活性化はCpG(TLR9 ligand)投与によって、誘導されるマウス実験腸炎の発症を抑制した。NOD2欠損マウスを用いた骨髄移植実験により、抗原提示細胞(pDC)に発現するNOD2の発現が腸炎の抑制には必須であった。さらに、その腸炎抑制効果の分子機序はIFN-alphaとその下流のTh1反応の抑制に依存することが明らかになった。以上の結果から、NOD2はTLR経路をNF-kappaBとI型IFNの活性化という2つの側面から負に制御することにより、腸管免疫の恒常性を維持していることが明らかとなった。今後はNOD2がTLR9-IFN-alphaの経路のどのレベルにおけるシグナル伝達経路に作動しているのか?ユビキチン化経路に焦点をあて、解明する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Activation of type I IFN signaling by NOD1 mediates mucosal host defense against Helicobacter pylori infection2011

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Tomohiro, et al
    • 雑誌名

      Gut Microbes

      巻: 2 ページ: 61-65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NOD1 contributes to mouse host defense against Helicobacter pylori viainduction of type I IFN and activation of the ISGF3 signaling pathway2010

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Tomohiro, et al
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation

      巻: 120 ページ: 1645-1662

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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