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2011 年度 実績報告書

腸内細菌由来抗原の免疫制御機能を利用したクローン病の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21590532
研究機関京都大学

研究代表者

渡邉 智裕  京都大学, 医学研究科, 准教授 (40444468)

キーワード粘膜免疫 / クローン病 / NOD2
研究概要

抗原提示細胞におけるMuramyl dipeptide (MDP)によるNOD2の活性化はToll-like receptor (TLR)を介するNF-kappaBの活性化を抑制し、腸炎の発症を防止していることを代表者は見出しているが、NOD2の活性化がTLRを介するI型IFNの産生に及ぼす効果は不明であった。代表者らはMDPによるNOD2の活性化がTLR9を介するI型IFNの産生を負に制御することを発見した。その機序に関して、NOD2はTLR9の活性化に伴う転写因子であるIRF7の核内移行をTRAF3経路により抑制することを見出した。NOD2はTLR経路をNF-kappaBとI型IFNの活性化という2つの側面から負に制御することにより、腸炎の発症を防止していることが明らかとなった。また、MDPの全身投与によるNOD2の活性化はTLR9 ligandの投与による腸炎の悪化を防止した。その効果はNOD2の活性化がTLR9を介するI型IFNの産生を抑制するためであった。NOD2の姉妹分子であるNOD1の膵臓腺房細胞における活性化はI型IFNの経路を活性化し、炎症性ケモカインの産生を誘導することにより、炎症反応を惹起し、急性膵臓炎の発症を促進することを明らかにした。以上の結果からNOD1とNOD2は腸内細菌由来抗原により活性化された際にI型IFN経路の誘導という観点からは全く正反対の効果を示し、NOD2の活性化はI型IFN経路の活性化を抑制する一方でNOD1の活性化はI型IFNの産生を誘導することが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Activation of Toll-like receptors and NOD-like receptors is involved in enhanced IgG4 responses in autoimmune pancreatitis2012

    • 著者名/発表者名
      Watanabe T, et al
    • 雑誌名

      Arthritis & Rheumatism

      巻: 64 ページ: 914-24

    • DOI

      10.1002/art.33386

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Correlation between hyporesponsiveness to Toll-like receptor ligands and liver dysfunction in patients with chronic hepatitis virus C infection2011

    • 著者名/発表者名
      Chung H, Watanabe T, et al
    • 雑誌名

      Journal of Viral Hepatitis

      巻: 18 ページ: e561-567

    • DOI

      10.1111/j.1365-2893.2011.01478.x

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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