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2009 年度 実績報告書

メモリーT細胞の分化と維持におけるNotchシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 21590536
研究機関徳島大学

研究代表者

前川 洋一  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10294670)

キーワードNotch / メモリーT細胞 / Leishmania major原虫感染 / ワクチン
研究概要

本研究は、生体防御機構あるいは免疫系の特徴の一つであり、最も重要な役割の一つである免疫学的記憶現象(免疫学的メモリー)の分子基盤についてNotchシグナルに着目して解明することを目的とする。免疫学的メモリーの本態は抗原特異的メモリー細胞(TおよびBリンパ球)が長期に渡り生体内に留まることである。本研究ではCD4陽性Tリンパ球メモリーに特に焦点を当て、メモリー細胞の分化あるいはその長期維持機構について感染症モデルなどを用いて解析することを計画した。
本年度はNotchシグナルをTリンパ球でのみ欠損するマウス(RFF4)由来のCD4陽性Tリンパ球からのメモリー細胞への分化あるいはその維持を検討した。マウスにモデル抗原である卵白アルブミン(OVA)を免疫し、その10日後に抗原特異的CD4陽性Tリンパ球の反応を検討したところ、RFF4マウスでは抗原特異的反応が対照群に比し源弱していた。より詳細に解析したところ、RFF4マウスでも免疫応答初期のCD4陽性Tリンパ球の活性化には障害はみとめられないことから、生体内でのメモリー細胞への分化が障害されていることが明らかとなった。また、Leishmania majoす原虫を連続して感染させたところ、RFF4マウスは再感染時にも初感染と同様の反応が認められ、感染モデルにおいても原虫特異的メモリーCD4陽性Tリンパ球が分化していないことが明らかとなった。
以上のことから、NotchシグナルはCD4陽性Tリンパ球がメモリーT細胞へと分化する上で重要なシグナル伝達経路であることが明らかとなった。次年度以降は、本年度の知見をさらに精緻に解析するとともに、オミクス解析等を行いその分子機構を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Notch2 signaling is required for potent anti-tumor immunity in vivo.2010

    • 著者名/発表者名
      Koji Sugimoto
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 184(Epub ahead of print)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Notch signaling drives IL-22 secretion in CD4+ T cells by stimulating the aryl hydrocarbon receptor.2010

    • 著者名/発表者名
      Muhammad Shamsul Alam
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 107(13)

      ページ: 5943-5948

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Protein-tyrosine phosphatase-kappa regulates CD4+ T cell development through ERK1/2-mediated signaling2009

    • 著者名/発表者名
      Namjil Erdenebayar
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophyicals Research Communications 390(3)

      ページ: 489-493

    • 査読あり
  • [学会発表] Notch signaling controls T cell homeostasis2009

    • 著者名/発表者名
      前川洋一
    • 学会等名
      日本免疫学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-12-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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