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2010 年度 実績報告書

糖鎖認識受容体による免疫応答の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 21590543
研究機関立命館大学

研究代表者

MA BruceYong  立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (00378788)

研究分担者 川嵜 敏祐  立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (50025706)
キーワードC型レクチン / 糖鎖リガンド / 腫瘍免疫 / 樹状細胞 / 糖鎖シグナル
研究概要

樹状細胞C型レクチンDC-SIGNの新規リガンドに関する研究
これまで我々は、DC-SIGNが結腸がん細胞株SW1116を認識すること、認識にはSW1116細胞上の糖タンパク質であるcarcinoembryonic antigen(CEA)が関与していることを既に明らかにしている(Nonaka M, et al., J.Immunol.2008, 180 : 3347-3356.)。しかしながら、結腸がん細胞上の他のDC-SIGNリガンドに関する検討は行われていない。
1. 樹状細胞C型レクチンDC-SIGNの新規リガンドの同定
本研究は、MoDC(Monocyte-derived dendritic cells)と結腸がん細胞株COLO205を共培養すると細胞同士の接着が起こること、この細胞間相互作用にはDC-SIGNが関与することを明らかにした。次に質量分析法により、DC-SIGNのリガンド糖タンパク質としてMac-2 binding protein(Mac-2BP)を新たに同定した。またMac-2BPには結腸がん関連ルイス式糖鎖抗原が発現していること、特にルイス糖鎖のa1-3,4-フコースがDC-SIGNとの結合に重要であることを、種々のグリコシダーゼを用いた実験により明らかにした。
2. DC-SIGNの新規リガンドを介するがん細胞の免疫監視からの逃避に関わる糖鎖シグナルの解析
本研究は、MoDCとCOLO205細胞の共培養条件において、MoDCの成熟マーカーであるCD83、CD86の発現が抑制されることを明らかにした。このことは、DC-SIGNを介した結腸がん細胞の認識が、がん細胞による免疫機構からの逃避を助けることを示唆するものである。本研究は、免疫系における糖鎖の重要性を示すだけでなく、がん細胞の免疫逃避メカニズムの新たなモデルを提唱するものであり、DC-SIGNを介する細胞内シグナル経路を標的とした新しい薬の開発に繋がると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] A novel mitogen fusion protein against CD40+ cells with potent vaccine adjuvant properties2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshida T.
    • 雑誌名

      Vaccine

      巻: 28 ページ: 3688-3695

    • 査読あり
  • [学会発表] C-type lectin DC-SIGN interacts with Mac-2BP expressed on human colon tumors2010

    • 著者名/発表者名
      Nonaka M.
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学年会・第83回日本生化学会大会共同大会
    • 発表場所
      神戸・国際展示場
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] Mac-2BP expressed on human colon carcinomas is a novel ligand for DC-SIGN2010

    • 著者名/発表者名
      Nonaka M.
    • 学会等名
      Annual Conference of the Society for Glycobiology
    • 発表場所
      St Pete Beach, FL, USA
    • 年月日
      2010-11-10
  • [学会発表] A novel serine protease MSPL is involved in the regulation of complement activation2010

    • 著者名/発表者名
      Ma B.Y.
    • 学会等名
      14^<th> International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸・国際展示場
    • 年月日
      2010-08-25
  • [学会発表] C-type lectin DC-SIGN recognizes glucans of Mac-2BP expressed on colorectal cancer2010

    • 著者名/発表者名
      Nonaka M.
    • 学会等名
      25^<th> International Carbohydrate Symposium
    • 発表場所
      東京・幕張国際会議場
    • 年月日
      2010-08-06

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公開日: 2012-07-19  

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