研究課題
申請者はウイルスに対する生体防御反応に必須のI型インターフェロン(IFN)産生細胞として知られる形質細胞様樹状細胞(PDC)が活性化した際に発現する特異的細胞表面分子PDC-TREMを発見し、PDC-TREMがToll様受容体(TLR)刺激後のIFN産生の調節に重要な役割を担っていることを明らかにした。PDC-TREMに対する特異的モノクローナル抗体を複数樹立することに成功し、PDCをTLR9刺激物質であるCpGで刺激し、特異抗体存在下および非存在下あるいはRNAiによるノックダウンにおけるI型IFN産生量をELISA法によって確認したところ、著しい産生抑制が見られた。またPdc-trem遺伝子欠損マウスを樹立し、本マウスにおいてはPDCの生体内における発生及び分化には異常は認められないものの、TLR刺激後のIFN産生が著しく減じることを見出した。これらの結果は、TLRを介したウイルスに対する生体防御反応において、PDC-TREM分子がIFN産生調節、特に増幅において重要な役割を担っていることを示している。PDC-TREM分子はPDCに特異的に発現が見られることから生体内でのPDCのモニタリングに有用な分子でもある。脾臓に存在するPDCは定常状態においてmarginal zoneに散在して存在し、ウイルス感染やCpG刺激によってPDC自身でクラスターをつくりながらT cell zoneに移行することが明らかとなった。PDCクラスター形成が自身の機能獲得にどのような影響を与えているのか、またクラスター形成機構について研究を継続している。
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