DPCデータは我が国の急性期病院から収集される業務データで、医療の質の評価や病院機能評価に大きな有用性を秘めている。本研究では、DPCデータを用いた医療の質の評価手法の開発を目的とした。その結果、DPCプロセスデータを用いたケースミックス補正によって、冠動脈治療後の入院中死亡率や大腿骨頸部骨折手術後の在院日数などを含むアウトカム評価が可能であることを示した。DPCデータは医療の質評価と臨床疫学研究に大変有用であると考えられた。臨床研究のための総合的で代表性のあるDPCデータベースを構築し維持することは、我が国の良質な臨床研究と根拠に基づく医療政策のために必須であると考えられた。
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