研究概要 |
シミュレーションに基づく学習の必要性は、実際の技術の向上、患者の予後との関連づけから動機付けられる。到達度評価は、信頼性と妥当性を満足するものが理想であるが、困難であることも少なくない。一方技術到達度の維持に関しは、繰り返し学習することの効果は認められており、シミュレーション教育にアクセスしやすさが維持に重要との報告も散見される。しかしながら実際に指導できる講師の不在から、シミュレータがあっても利用できない状況も事実である。ここに遠隔操作によるシミュレーション教育の需要がとくに小児医療領域にある。シミュレータの遠隔操作による教育を方法論として確立し、現場に操作者がいる場合と教育効果が同等であることを検証することを目的とする。 今年度はhigh-fidelity simulationを用いたシミュレーション教育の有効性を遠隔教育で検証するためのシステムを構築した。他施設(君津中央病院、大阪医科大学、フィラデルフィア小児病院との通信実験に成功)のコンピューターと金沢大学のSimBabyをインターネット回線で接続した。他施設から遠隔操作したシミュレーション教育の看護師ならびに医学部学生に対する教育効果を、下記の測定項目について解析しているところである。測定項目:Self-efficacy、competency(knowledge,skill performance)、team dynamics(crisis resource management)の3項目)
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