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2009 年度 実績報告書

医師の処罰と関わる医療事故における法医学的検証システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590563
研究機関千葉科学大学

研究代表者

黒木 尚長  千葉科学大学, 危機管理学部, 教授 (30225289)

キーワード診療関連死 / 医療関連死 / 医療事故 / 法医学 / 刑事法学 / 異状死体
研究概要

「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方」につき最終案に近い第三次試案が2008年4月に出され、医療関連死第三者機関の設置へ向かい一歩前進したように思われたが、政権交代の影響もあり、法制化も未定で不透明であり、診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業は予定の年限を経過したが、なんとか受付を継続しているという現状である。その要因の一つに、診療関連死における異状死の範囲と医師の刑事罰の問題があると考え、諸外国の実情を調査した上で、日本の現状と比較検討を行ってきた。その結果、英米法とは異なり、ドイツなどの大陸法の流れをもつ日本では、依然として、業務上過失致死傷罪が存在し、個人の責任が追及されるため、医師は法的には刑事罰を免れることができないことがわかっている、そのため、日本の法律と同じ流れをくむ韓国や台湾などの東アジア諸国では、日本と同様、医師が刑事罰に問われており、医師にとっての社会問題となっている。
この問題は東アジアの問題ではないかと考え、共産圏である中華人民共和国で調査を行った。中国では医療と関わる殺人として刑事罰が現実にあるが、遺族の訴えは受け止められた上で、医学会が鑑定を引き受け、医学鑑定に基づき鑑定委員会が判断するようになり、刑事罰も3ヶ月以上3年以下の懲役になった。現在は、医師の刑事処分よりは賠償内容が重視されており、これらは医療事故処理条例という法体系の下で整備されていることがわかった。現状では、医師の刑事罰を免責にするという方法は見いだせず、その判断を医学会に任せるというシステムは、非常に参考になると言えよう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」の現状と課題2009

    • 著者名/発表者名
      黒木尚長
    • 学会等名
      第93次日本法医学会学術全国集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-05-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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