研究概要 |
本研究は、医療通訳者に残る課題である即時性,簡便性,普遍性,医療経済的観点を克服する多言語医療会話支援ソフトウエアの開発・臨床応用であり,具体的には,主訴,現症,検査,治療,説明などがコンピュータ上で日本語と外国語相互にリアルタイムで翻訳でき,患者と医師が画面上で多言語間での会話が行なえる.本年度は、汎用的なWindowsのOSを搭載したノート型PC上において単体で動作するソフトウエアの完成に至った.その主な機能および諸元は以下の通りである.a)セキュリティ機能:IDとパスワードによりセキュリティの確保.b)搭載可能文例等:産婦人科および小児救急の2診療科,英語,中国語,スペイン語およびポルトガル語の4言語.c)質問簡易検索・選択:3回以内のクリック操作により選択可能な質問簡易検索選択機能.d)画面ナビゲーション機能.e)翻訳文同時表示機能:質問選択と回答選択肢を同一画面.f)同時マーキング機能:選択された回答肢を,日本語および翻訳文双方にマーキング.g)一覧表示機能:診療時に選択された質問および回答を選択した時間順に一覧表示.h)印刷機能:一覧表示された質問および回答を印刷可能とする機能.i)データ保存機能:各診療における使用記録をデータとしてシステムに保存可能とする機能.j)保存データの検索,削除,再入力機能:保存された使用記録のデータを簡易に検索,削除,および再入力.k)カスタマイズド機能:既搭載の文例,翻訳文の内容や表示順序の変更が可能.以上の機能を有する多言語医療会話支援ソフトウエアの作成が終了した。
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