研究課題
本研究では、単なる「理論的」研究の枠組みに留まるのではなく、米国・英国の倫理コンサルテーション・システム構築の現状を踏まえながらも、日本の医療現場において実効性のある「臨床倫理サポート」体制の確立のために必須と思われる課題を整理し、特に臨床倫理コンサルタントに期待される役割とその資質について、実践的観点からも明確にすることを目的としている。そこで今年度は、日本の医療現場における臨床倫理サポートのニーズの実態を、単に「必要である」という把握に留まるのではなく、臨床倫理サポートの内実となる倫理コンサルテーションを担う人材、すなわち「臨床倫理コンサルタント」に対し、現場スタッフが具体的にどのような資質や能力を期待しているのかについて、連結不可能匿名化自記式アンケート調査によって状況把握を行った。21年度に実施したアンケート調査のパイロット・スタディは、以下の通りである。申請者によって運営されている「常設型倫理コンサルテーション・ルーム」(本店【喫茶☆りんり】、姉妹店【かふぇ☆りんり】)にて倫理相談をしたことがある医療従事者(看護師、医師、作業療法士、理学療法士、ソーシャル・ワーカー等、職種は問わない)を対象とし、アンケート用紙を送付、回答されたアンケートの定量解析および、自由記述欄については質的分析を行った。主な質問項目は以下の通り。「倫理相談を受けてみようと思った動機は何か。」「受けてみて良かったことは何か。」「患者さんへの接し方やあなた自身の考え方で変化したことはあったか。」「物足りなかったことはなかったか。」「倫理相談を行う人材には、どのようなスキルや素養が必要だと思うか。」「倫理相談をはじめとする臨床倫理サポートが、医療現場に普及するために重要なことは何だと思うか。」
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
南九州看護研究誌
巻: Vol.40, No.1 ページ: 55-61
癌と化学療法
巻: Vol.36, Suppl.1 ページ: 66-68