研究課題/領域番号 |
21590571
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村永 文学 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00325812)
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研究分担者 |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (40225230)
宇都 由美子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (50223582)
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キーワード | 薬剤疫学DWH / データマイニング / 医薬品副作用シグナル検知 / 医薬品相互作用 |
研究概要 |
近年、市販後治験(PMS)の手法として、自発報告の中から優先的に検討すべき重要なadverse drug reaction(医薬品副作用。以下ADR)の疑いを、統計的に選び出すシグナル検出法の研究が進んでいる。本研究は、新薬の相互作用等の発見を可能とする薬剤疫学データウェアハウスを応用した医薬品副作用シグナル検知システムに、電子カルテに記載されたフリーテキストから得られた情報を統合し、より感度と特異度の高い副作用検知システムを開発することを目的とする。 平成22年度は、平成21年度に構築した薬剤疫学データウェアハウスシステムに、総合病院情報システムに登録された電子カルテ記録を参考に、テキストマイニング実験用に連結不可能匿名化したカルテ記事データを作成し、登録した。同時にテキストマイニング手法に関する基礎研究と、薬剤疫学データウェアハウスシステムへのテキストマイニング機能の実装を行った。 平成21年度に構築した薬剤疫学データウェアハウスシステムに匿名化したカルテ記事データと登録し、テキストマイニング手法に関する症状発見の基礎研究をおこなった。具体的には形態素分析を行い、形態素分析辞書を整備し、n-gram、クラスタリング、知識辞書フィルター、アプリオリ分析等のデータマイニング手法の評価を行った。次に、薬剤疫学データウェアハウスに、模擬的に薬剤有害事象が発生したことを想定したデータを作成し登録した。最初は有害事象として、薬歴情報、検査結果情報、カルテ記事情報には矛盾が無いデータを作成し、その想定薬剤を発見可能なデータマイニング手法の評価を行った。評価実験では有害事象を発見可能なデータマイニング手法を確立したのちに、薬剤有害事象の発生率を低く設定したり、データに一部欠落などを混在させ、薬剤有害事象をどの程度検知可能か、実験を行った。その成果を薬剤疫学会で発表した。
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