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2011 年度 実績報告書

外国人患者と医療者間におけるコミュニケーション・ギャップの実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590572
研究機関静岡県立大学

研究代表者

濱井 妙子  静岡県立大学, 看護学部, 助教 (50295565)

研究分担者 永田 文子  東京大学, 医学系研究科, 助教 (30315858)
キーワード地域医療 / 外国人患者 / コミュニケーション・ギャップ / 在日ブラジル人 / 異文化コミュニケーション / 外国人医療 / 医療コミュニケーション
研究概要

本年度は、研究の総括として、医師・薬剤師対象の質問紙調査結果と医療従事者対象の異文化理解セミナーの成果、看護師対象のグループ・ディスカッションの結果をまとめ、外国籍住民に対応した地域医療サービスにおけるニーズを明確にし、関連学会に発表した。その上で、外国籍住民が安心して地域医療サービスを受けられる、かつ、地域の医療従事者が安心して外国籍住民に安全な医療サービスを提供できるためには、どのような方策が必要かを話し合うことを目的に、外国人医療に従事している専門家(医師2名、薬剤師1名、看護師2名、通訳者1名)、ならびに、医療通訳の経験がある在住ブラジル人2名の合計8名を対象に、4名ずつ2回にわけてグループ・ディスカッションを実施した。討議内容は次の3点とした。1)在住ブラジル人が医療サービスを受ける上でどのようなことで悩んでいるか。2)在住ブラジル人と医療従事者が信頼関係を築くためにはどのような相互理解が必要か。3)医療従事者が外国人患者に安全な医療サービスを提供できるためにはどのような方策が必要か。その結果、外国人患者に安全な医療サービスを提供するためには、言葉のハンディキャップをなくすことが最優先課題であり、院内に専属通訳者を配置する必要があることが示唆された。具体的方策としては、「地域に外国人患者に対応できる機能をもつ特別な病院やクリニックをいくつか配置する」、「引退した人で日本語ができる高齢者を院内に通訳ボランティアとして活用する」、「医療通訳者養成機関を作る」、「通訳者が必要な医療機関を募って医療通訳派遣システムを作る」などが提案された。医療通訳者養成の課題としては、「誰が通訳者の費用を負担するか」、「質を保証する資格制度になっていない」、「養成後の就職が困難である」などがあげられた。さらに、医療通訳者の質をあげるための研修や評価を実施する機構が必要とされた。また、外国籍住民の子どもと高齢者の健康問題について、制度的な配慮が必要であることが示唆された。外国人患者の医療アクセスの問題は、言葉のみでは解決できない多くの要因が複雑に絡んでいるために日本人と同等の医療サービスを提供することは極めて困難とされた。
これら3年間の調査結果を統合し、専門家の助言を得ながら、外国籍住民にも対応できる地域医療連携システムのモデルを提案し、実現可能性を検討していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 看護師と医療機関で雇用されているポルトガル語の通訳者の協働2011

    • 著者名/発表者名
      永田文子, 濱井妙子
    • 学会等名
      第26回日本国際保健医療学会学術大会
    • 発表場所
      東京大学本郷キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2011-11-06
  • [学会発表] 地域における外国人患者に対する診療環境とニーズ2011

    • 著者名/発表者名
      濱井妙子, 永田文子
    • 学会等名
      第70回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      秋田アトリオン(秋田県)
    • 年月日
      2011-10-20
  • [学会発表] 通訳職員がいる医療機関で、看護師が実施しているブラジル人患者への言葉の対応2011

    • 著者名/発表者名
      永田文子, 濱井妙子
    • 学会等名
      第70回日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      秋田アトリオン(秋田県)
    • 年月日
      2011-10-20

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公開日: 2013-06-26  

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