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2010 年度 実績報告書

がん患者へのインフォームド・コンセントを巡る医療者コミュニケーションの質的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590577
研究機関北里大学

研究代表者

有田 悦子  北里大学, 薬学部, 准教授 (60220240)

キーワード医療の質 / がん患者 / インフォームド・コンセント / 医療コミュニケーション / 質的研究
研究概要

抗がん剤治療開始にあたっては、医療者から患者へのインフォームド・コンセントが重要となる。インフォームド・コンセントの本来の意味である"説明を理解し、納得した上での自発的な同意"の実践には様々な困難が伴う。その原因としていくつかの要因が考えられるが、我々は医療者-患者間のコミュニケーションギャップに着目し本研究を企画した。
平成21年度に実施した患者の抗がん剤治療に対する意識やインフォームド・コンセントの理想と現実に関するアンケート調査では、抗がん剤治療開始時の医療者からの説明に対する患者の理解度が不安の軽減に寄与している可能性、理想と考えるインフォームド・コンセントと現実にはギャップがあること等が示唆された。
そこで平成22年度は、抗がん剤治療開始時の説明に関して患者が抱える不安や希望について更に明確化していくため、がん患者に面接調査を行いインタビュー内容について感性分析による質的な検討を行った。
その結果、患者が治療説明を受けたときの気持ちに関して「期待」「ショック」「あきらめ」「不安」「恐怖」「安心」等のカテゴリが得られた。また、説明の理解度に関しては「理解できた/ある程度理解できた」と語った患者がいた一方で、「専門的なことはわからない」「こういうものなのだという理解」「納得している」といった、専門性の高い説明に対する理解の困難さが伺われた。理解できなかった理由について、患者にとって治療説明は「わからない/難しい」が、また理解に影響を与える要因として医療者への「信頼」の重要性が語られた。さらに、面接調査全体において、医師や病院に対する信頼感(「信頼」「任せる」)を表出する患者が多かった。本調査は現在も継続中であるが、治療説明の際には「患者-医療者間の信頼」が重要であることが示唆された。
今後は研究参加者数を増やし、信頼関係構築に関係する要因についても明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] RTASによる治験同意説明ロールプレイ時の医療者-患者コミュニケーション分析-"質問"に焦点をあてたパイロット研究-2011

    • 著者名/発表者名
      有田悦子、飯岡緒美、細谷未佳、高田勝利、氏原淳
    • 雑誌名

      Journal of Pharmaceutical Communication

      巻: 8(2) ページ: 13-19

    • 査読あり
  • [学会発表] がん化学療法の説明に対する患者の意識調査2011

    • 著者名/発表者名
      有田悦子、竹下啓、田辺(安藤)記子、鈴木幸男
    • 学会等名
      第4回日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-03-13
  • [学会発表] A Survey of Cancer Patients Attitude on Informed Consent of Anti-cancer Drug Therapy2011

    • 著者名/発表者名
      Etsuko A, Kei T, Noriko A, Yukio S
    • 学会等名
      American Psychosocial Oncology Society 8th Annual Conference
    • 発表場所
      Anaheim, CA United States
    • 年月日
      2011-02-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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