本研究テーマとして、1)女性医師としての自覚を促す教育の有無が、その後のキャリア形成・維持にどのように影響を与えているかの比較研究、2)大学や地域医療における女性医師ロールモデルの存在の有無が、その後のキャリア形成・維持に与える影響、3)同年代や前後の年代の女性医師などの離職状況が、これから子どもを持つ予定の女性医師のキャリアプランに与える影響の調査、4)これから医師になる女性医学生の育児と仕事の両立に対する意識調査、5)医学部入学者の女性比率増加のなか、医学部入学前の女子生徒及びその両親が、将来の仕事と家庭の両立についてどのような意識を持って医学部を志望しているかについての調査研究、6)女性医師のキャリアについて、女性の医学生だけが学ぶ場合と男女医学生が共に学ぶ場合とで、その効果やモチベーション形成への影響の比較検討、7)女性医師の離職率が低い他国での、キャリア教育の状況や対応策についての視察調査を掲げた。 上記のうち、7)に関してはまず初年度に遂行し、昨年度は1)-6)のテーマに対して聞き取り調査を中心に行った。1)~6)は非常に幅広く多岐に渡ったテーマであるため、女性医師・医学生への聞き取り調査の結果を踏まえてテーマを絞り込んだ。本年度は信州大学医学部の女子医学生とその両親を対象にキャリアに関する不安や仕事と家庭の両立についてどのような意識を持っているかの聞き取りを行った。さらに量的解析として、信州大学医学部1年生を対象に医学生(男女)の意識に関して調査を施行した。
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