本研究は腎細胞癌においてマトリックスリモデリング機構を制御する経路を同定し、抗血管新生療法の新規治療標的やその感受性マーカーになりうるかの検討を目的とした。研究では、HIFを介しないVHL-atypical PKC-JunB経路が腎細胞癌の進展に寄与することを示し、実際に、腎癌細胞株からのxenograftを用いてJunBの発現が腫瘍増生と血管新生に影響することを確認した。さらに、JunB下流エフェクターとしてMMP-2/9およびCCL2を同定し、その機能解析の結果、腎細胞癌の血管新生や浸潤に対する新規分子標的になる可能性を示唆した。
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