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2011 年度 実績報告書

2型糖尿病克服の鍵分子であるアディポネクチンの発現促進物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21590598
研究機関神奈川県立保健福祉大学

研究代表者

及川 勉  神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (40120141)

研究分担者 佐藤 眞友美  (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (50124459)
キーワード2型糖尿病治療薬 / アディポネクチン / 前駆脂肪細胞 / 細胞分化 / PPARγアゴニスト / ノビレチン / 血管新生抑制作用 / GLUT 4
研究概要

脂肪細胞に特異的に発現しているアディポネクチンが注目されている。アディポネクチンがインスリン感受性を増強することより、2型糖尿病などの生活習慣病を克服するための鍵分子であることが最近の研究の進展により明らかにされたからである。そこで我々はこれらの知見を基に、アディポネクチン発現促進物質の検索系をまず確立した。本研究では、この新しい検索系を駆使してアディポネクチン発現促進物質を見出してその作用機序を明らかにし、2型糖尿病治療薬として開発するための基盤を確立する。本年度は以下の点について研究を行った。
1.放線菌由来のnocapyrone Bとnocapyrone Eがアディポネクチン発現促進作用を有することを明らかにした。しかし、ルシフェラーゼレポーターアッセイは、両化合物がfullなPPARγアゴニストであるチアゾリジン化合物とは異なる機序によりアディポネクチンの発現を促進することを示唆した。
2.理研・天然物化合物バンクのパイロットライブラリーを用いて、ST-13前駆脂肪細胞分化誘導活性を指標にしてアディポネクチン発現促進物質候補の探索を行ったところ、実に16.5%(66/400)のものが強い細胞分化誘導活性を示した。そこでその中でも特に強い活性を示すものの一つであるR-34についてアディポネクチン発現促進作用を検討した。その結果、R-34はアディポネクチンの分泌タンパク質量とmRNA発現量を濃度に依存して増大した。一方R-34のPPARγアゴニスト活性は統計学的には有意であるが、full PPARγアゴニストであるチアゾリジン化合物に比べて非常に弱いことより、partial PPARγアゴニスト活性を持つと考えられる。さらに興味深いことに、R-34が細胞内への糖取り込みの決定因子であるGLUT4 mRNAの発現量を促進することも見出した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Prajinamide, a new modified peptide from a soil-derived Streptomyces2012

    • 著者名/発表者名
      Igarashi, Y., Tanaka, Y., Ikeda, M., Oikawa, T., Kitani, S., Nihira, T., Mongkol, P., Janhom, M., Panbangred, W.
    • 雑誌名

      J.Antibiot.(Tokyo)

      巻: Vol.65 ページ: 157-159

    • DOI

      DOI:0.1038/ja.2011.132.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Norlichexanthone isolated from fungus P16 promotes the secretion and expression of adiponectin in cultured ST-13 adipocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, M., Kurotobi, Y, Namikawa, A., Kuranuki, S., Matsuura, N., Sato, M., Igarashi, Y., Nakamura, T., Oikawa, T.
    • 雑誌名

      Med.Chem.

      巻: Vol.7 ページ: 250-256

    • 査読あり
  • [学会発表] 放線菌由来nocapyrone Eによるアディポネクチン分泌促進2012

    • 著者名/発表者名
      池田恵, 元島敦子, 倉貫早智, 佐藤眞友美, 国政和宏, 松浦信康, 小倉弘, 五十嵐康弘, 及川勉
    • 学会等名
      第131回日本薬学会年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-03-30
  • [学会発表] 2型糖尿病克服のための新しい起爆剤の開発-アディポネクチン発現促進物質の探索とその分子基盤の確立-2011

    • 著者名/発表者名
      及川勉, 中村丁次, 倉貫早智, 池田恵, 佐藤眞友美, 国政和宏
    • 学会等名
      花王健康科学研究会第8回研究助成成果報告会
    • 発表場所
      花王株式会社・すみだ事業場内セミナーハウス
    • 年月日
      2011-11-15
  • [学会発表] カフェイン酸誘導体によるアディポネクチン発現促進作用2011

    • 著者名/発表者名
      池田恵, 及川勉
    • 学会等名
      第33回日本臨床栄養学会総会
    • 発表場所
      都市センターホテル
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] ポリメトキシフラボノイドであるノビレチンは血管新生に関与する内皮細胞機能とin vivo血管新生を抑制する2011

    • 著者名/発表者名
      国政和宏, 池北雅彦, 佐藤眞友美, 太田敏郎, 池田恵, 及川勉
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2011-10-03
  • [学会発表] Norlichexanthone, a fungal metabolite promotes the secretion and expression of adiponectin in cultured ST-13 adipocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Tsutomu Oikawa, Megumi Ikeda, Nobuyasu, Matsuura, Mayumi Sato, Yasuhiro Igarashi, Teiji Nakamura
    • 学会等名
      The 23rd International Congress on Heterocyclic Chemistry
    • 発表場所
      Scottish Exhibition and Conference Centre(グラスゴー)
    • 年月日
      2011-08-02

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公開日: 2013-06-26  

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