研究課題
本研究では、ArcおよびAmidaがSUMO化を介してどのようにINOクロマチンリモデリング複合体と関わり、その機能を調節するのかを明らかにすることにより、覚醒剤など薬物依存の分子機構を解明し、これを防止あるいは治療する可能性を探ることを目的とする。当該年度は以下のように検討を進めている。(1)AmidaのCre-loxP系によるコンディショナル・ノックアウトマウスを作成し、安定的に繁殖させることができた。タモキシフェンによりCre Recombinaseを発現誘導できるトランスジェニックマウスも同じ施設で安定的に繁殖させることができた。平成23年4月、大学キャンパスの移転により十分なスペースを確保し、両者を交配して形態観察、行動学的解析を行う系を準備している。(2)神経系の培養細胞Neuro2aにAmida, SUMO, Arcを安定的に発現させたところ、細胞の増殖速度および接着能に差異があることがわかった。(3)同細胞株の接着機能について、京都大学再生医科学研究所組織修復材料学分野岩田博夫教授、広島大学大学院医歯薬学総合研究科生体材料学加藤功一教授の研究グループと共同研究を開始し、同グループが開発した細胞アレイ法を用いて細胞表面の接着分子について検討した。その結果、AmidaとSUMOを共発現させた細胞ではlaminin-1への接着性が極端に低下していることがわかり、AmidaおよびSUMO1~3の導入によってインテグリンの発現頻度やそのパターンが変化しているものと思われた。(4)そこで、上記遺伝子を一過性に発現させた細胞を、フローサイトメトリー法を用いて分離し、現在接着分子の発現解析を進めている。
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