研究課題
前年度に引き続き、リンパ球サンプルの収集を行い、エピジェノミックな解析を行うための特定のサブセット由来のゲノムDNAを収集した。DNAのメチル化率解析については、前年度にさまざまな測定方法についてプレリミナリーな検討を加えた結果、メチル化率の解析において再現性が改良された「メチル化感受性制限酵素を用いたRFLP法」を用いて実際の患者検体による解析を開始した。そのなかで特定のサイトカインのプロモータ部分におけるCpG部分のシトシンメチル化率の解析を行った結果、自己免疫性甲状腺疾患患者の病態によりこのメチル化の程度に差異が認められ、これがプロモータの活性に変化を与えて疾患の病態に影響している可能性が見出された。現在この結果を検証中である。すでにサンプリングしたゲノムを用いたDNAの多型のうち、自己免疫性甲状腺疾患である橋本病の重症度やバセドウ病の難治性といった病態と関連して一卵性双生児での解析の基礎データとなるであろういくつかの多型を同定することに成功し、学術誌および国内・国際学会において発表した。この多型ごとにエピジェネティックな変化を解析する予定である。一卵性双生児のペアについてゲノムのサンプリングおよび表現型の解析が開始され、現在、自己免疫疾患において、疾患感受性あるいは病態予後についてDiscordantな一卵性双生児をスクリーニング中である。
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Clinical and Experimental Immunology
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