研究課題
前年度に引き続き、リンパ球サンプルの収集を行い、エピジェノミッグな解析を行うための特定のサブセット由来のゲノムDNAを収集した。DNAのメチル化率解析については、「メチル化感受性制限酵素を用いたRFLP法」を用い、特定のサイトカインのプロモータ部分におけるCpG部分のシトシンメチル化率の解析を行った結果、自己免疫性甲状腺疾患患者の病態によりこのメチル化の程度に差異が認められ、これがプロモータの活性に変化を与えて疾患の病態に影響している可能性が見出された。さらにDNAのメチル化に関係する酵素(DNMT)の遺伝子多型が自己免疫性甲状腺疾患の病態と関連しており、さらに全ゲノムのメチル化率にも関係していることを明らかにし、論文投稿中である。前年度に続いて、すでにサンプリングしたゲノムを用いたDNAの多型のうち、自己免疫性甲状腺疾患である橋本病の重症度やバセドウ病の難治性といった病態と関連して一卵性双生児での解析の基礎データとなるであろういくつかの多型を同定することに成功し、学術誌および国内・国際学会において発表した。この多型ごとにエピジェネティックな変化を解析中である。一卵性双生児のペアについてゲノムのサンプリングおよび表現型の解析を継続しており、現在40組のサンプリングが終了し、臨床検査値も明らかになっている。現在、自己免疫疾患においで、疾患感受性あるいは病態予後についてDiscordantな一卵性双生児をスクリーニング中である。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
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