研究課題/領域番号 |
21590628
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
近藤 直樹 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80522789)
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研究分担者 |
冨永 辰也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究科, 助教 (80425446)
松浦 元一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究科, 助教 (10403734)
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キーワード | 糖尿病 / 血管合併症 / Smad1 / バイオマーカー / BMP4 / MGP |
研究概要 |
本申請代表者らは、IV型コラーゲンの制御因子であるSmad1の発現誘導、ないしはそのリン酸化による活性化機構をin vivo, in vitroで解析し、糖尿病による血管合併症の発現時における血管構成細胞内でのSmad1の役割を明らかにしようとした。またSmad1は、2型糖尿病における動脈硬化発症・進展を早期に診断する有用な指標になり得ると考え、既知の動脈硬化リスクファクターと血中Smad1を経時的に測定し、頚動脈エコーや脈波伝播速度な.どで動脈硬化康をモニターすることより、血中Smad1の変動と動脈硬化度の関係を明らかにした。(1)血中Smad1の分子学的評価:生体内には、非リン酸化Smad1、C末リン酸化Smad1、リンカー部分リン酸化Smad1が存在することがわかり、それらが測定系の中で、どのようにとらえられるかを分析し、正常および糖尿病での血中Smad1のプロファイルを作成した。これらの、バイオマーカーとしての意義として、腎組織内でのSmad1の活動性に関連を見出した。(2)糖尿病モデル動物における血中Smad1の測定:Smad1過剰発現マウスにストレプトゾトシンを投与し、糖尿病を誘導した。血管合併症をより促進させたモデルを用い、アルブミン尿や代謝異常の程度、実際のモデルマウスでの大小血管病変および石灰化などの指標と相関関係の有無を評価しながら、血中Smad1を含む、関連分子群の変化を糖尿病の進行にあわせ、経時的に評価し、そのsurrogate markerとして、血中MGPを同定した。(3)血中Smad1測定系の評価ならびに動脈硬化度との相関解析:患者の血清MGP値と腹部大動脈石灰化スコアとの間に負の相関を認めた。血清MGP値のSNPsの違いによる濃度差は検出されなかったことから、血管局所すなわち血管構成細胞内での異常が血管合併症にとってcriticalであることが明らかとなった。
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