研究課題
ピロリ菌関連血小板減少性紫斑病の解析から、血小板凝集・活性化を誘導する菌体成分の存在を明らかにした。そこで、血小板凝集・活性化を病態に有する急性冠症候群の発症機序におけるピロリ菌(感染)の関与を解明するため、そのピロリ菌体成分を検索した。その結果、幾つかの候補成分から細胞膜構成成分である1pp膜蛋白を同定した。さらに、リコンビナント融合蛋白(1pp-His蛋白)を作製し、ウサギ免疫後、抗1pp抗体(ポリクローナル抗体)を作成し、特異性は免疫沈降後ウエスタンブロットで確認した。免疫沈降は血小板と1pp-His蛋白を反応後、抗血小板抗体で沈降し、抗1pp抗体を使用した(抗His抗体でも確認)。結果、作製した抗1pp抗体は目的蛋白である1pp膜蛋白と反応し他成分との交差反応は殆ど認めなかった。次に1pp-His蛋白を使用して血小板凝集試験を行った結果、菌体破砕物よりも1pp-His蛋白の方が高い血小板凝集を示し、本菌体成分が血小凝集・活性化能を有する事を証明すると共に濃度依存性に活性亢進する可能性および菌体内の活性阻害成分の存在も示唆された。現在、動物感染実験(スナネズミ)より本菌体成分の血中移行性を検証している。また、既存の抗血小板凝集阻害作用を有する治療薬剤あるいは化合物を用いて本菌体成分の血小板活性作用機序を解析中である。さらに、患者検体にて本菌体成分の関与について詳細な解析を実施し急性冠症候群におけるピロリ感染症の病態解明に繋げる予定である。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (17件) 図書 (2件)
World Journal Of Gastroenterology
巻: 18 ページ: 425-434
Microbiol.Immunol.
巻: (In press)
J.Medical Microbiology & Diagnosis
J Cardiovasc Pharmacol
Food Science and technology research
巻: 17 ページ: 505-513
Journal of Agricultural and Food Chemistry
巻: 59 ページ: 8953-8960
Heart Vessels
巻: 26 ページ: 267-273
Histol Histopathol
巻: 26 ページ: 1-11
Clin Physiol Funct Imaging
巻: 31 ページ: 94-100
Circulation Journal
巻: 75 ページ: 919-926
Nephrol Dial Transplant
巻: 26 ページ: 1252-1257
Amyloid
巻: 1 ページ: 6-8