研究概要 |
酸化ストレスは、三大成人病など様々な疾患の発症・進展に関与することから、フリーラジカルにより引き起こされる酸化ストレスに対する正確なバイオマーカーの発見と測定法の開発が求められている。申請者は、この電子スピン共鳴法を改良し、簡便でかつ汎用性に富むキット及び測定システムの確立をめざす。具体的には、申請者と同仁化学研究所で作成した、新規ラジカル捕捉剤5-diphenylphosphoryl-5-methyl-pyrroline-N-oxide(DPPMPO)および一酸化窒素測定剤2-(4-Carboxyphenyl)-4,4,5,5-tetramethyl imidazoline-1-oxyl-3-oxide(C-PTIO)の優れた特性(反応速度が速い、安定性が高い、脂溶性が高い)をもとに、反応液を有機溶媒で抽出することで、脂質ラジカルや一酸化窒素を高感度に検出でき、かつ検体が長期間保存できることを見出し、ヒト全血のフリーラジカルバランスを、有機溶媒抽出法を用いた電子スピン共鳴法で直接測定する測定法の精度の改善と簡便化を行い完了した。また、健常人での個体内変動、個体間変動の検討を行い。個体内変動、個体間変動や正常値などの検討を終了した。現在、このデーターを基礎とし、糖尿病患者における酸化ストレス状態の把握する予備研究を開始している。
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