研究課題/領域番号 |
21590642
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
宮本 好晴 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20368096)
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研究分担者 |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
松村 洋子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80388256)
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10330078)
田窪 孝行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60163359)
高折 恭一 京都大学, 医学部, 講師 (10329485)
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キーワード | 膵臓癌 / 細胞膜 / 核内タンパク質 / 自己抗体 / 膵臓癌特異抗原 |
研究概要 |
4種類の培養ヒト膵臓癌細胞から、細胞膜成分/核内成分を選別抽出(市販キット:ProteoExtract)し、膵臓癌抗原としSDS-PAGEにて分離後、1枚の泳動ゲルを挟む様に2枚のPVDF膜に発現タンパク質を転写(Replica Blotting法)する。その1枚は染色操作へ、もう1枚は患者血清を1次抗体とし、血清中に存在する自己抗体-癌抗原結合体を陽性バンドとして化学発光検出する。本法を用い膵臓癌、前癌病変患者の症例について検索した結果、 1)膵臓癌患者血清を用いた予備実験(膵臓癌20例、家族性膵臓癌3例、健常者10例)では、数個の細胞膜や核内由来タンパク質に対して特異的に結合する6本の陽性バンドを見出し、そのバンド中から6種のタンパク質を同定した。これら陽性バンドは、健常者血清では検出されず、膵臓癌に特異的なバンドの可能性が高く、次年度には更に症例数を増やし、抗体検出の陽性率を統計学的処理し、有用性を明らかにする。 2)同様に、膵臓癌由来可溶性/核/細胞膜由来抗原を用い、CBB染色/コンゴレッド染色を実施した結果、2重染色される30~120kDa領域に複数の陽性バンドを見出した。 3)膵臓癌患者血清を1次抗体とする自己抗体スクリーニングにより、α-enolase、トリオースリン酸イソメラーゼ(TIM)を見出した。また、ある種の細胞株(Capan-2)由来のTIMを精製し、トリプシン消化物の構造解析(MALDI-TOF/TOF、NanoITMSMS解析)から新しい変異(^<34>Val→Ile/Leu)体を見出した。これは、癌化による自己抗体産生機序(アミノ酸変異)の可能性を示唆した新しい知見である。
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